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公募株式投信(除くETF)、6.0%増の169兆円=6カ月連続で増加し、過去最高を更新-10月の投信概況

2025年11月17日 08時00分

 
(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 投資信託協会がまとめた2025年10月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比6.0%増の169兆5023億円だった。6カ月連続で増加し、過去最高を更新した。日経平均株価の終値が10月27日に5万円の大台を初めて突破するなど、国内外で株価が上伸し運用益が増加した。

 一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比7.0%増の296兆0594億円となった。こちらも6カ月連続で増加し、過去最高を更新した。

 月間の新規設定は15本、償還は36本だった。この結果、運用中のファンド本数は前月末比21本減少して、5755本になった。

◆29カ月連続で資金流入超=公募株式投信(除くETF)

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 公募株式投信(除くETF)の資金増減額は、1兆1652億円の純資金流入となった。流入超過は29カ月連続。前月に引き続き、1兆円を超える高水準だった。好調な株式市場を背景に、少額投資非課税制度(NISA)などを通じて、個人投資家の資金流入が続いている。

 一方、運用増減額は、国内外の株価上昇を受けて、プラス8兆6156億円となり、過去最高を更新した。10月末は、日経平均株価が前月末比16.6%、NYダウが同2.5%、それぞれ上昇した。月末の円相場は1ドル=154円10銭となり、前月末(同148円88銭)と比べて、3.5%円安に振れた。

◆「設定」は過去最高を更新、「解約」も約1年ぶりの規模に

 公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は4兆7796億円となり、今年1月の過去最高(4兆5723億円)を更新した。

 一方、「解約・償還」は3兆6145億円で、2014年11月の3兆9881億円以来の規模になった。

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◆「海外株、内外株、資産複合」の純流入は継続、「国内株式」も純流入に転じる

 主要な商品分類別に資金増減額を見ると、「海外株式型」「内外株式型」「内外資産複合型」は、いずれも資金純流入が継続した。また、「国内株式型」は、193億円の流入となり、6カ月ぶりに流入超に転じた。

◆相場に一喜一憂せず、投資の継続を

 松下浩一投資信託協会会長は、日経平均株価が5万円台を記録し、史上最高値を更新していることについて、「『高市トレード』という言葉に代表されるように、株式市場は高市新内閣の発足を追い風に順調に上伸した。利食い売りも出ているが、新規で入ってくる資金も増えており、売買のボリュームが拡大している」と述べた。

松下浩一投資信託協会会長

 国内外の株価が最高値水準でもみ合う中、市場には相場の先行きについてはボラティリティの大きな展開を予想する声も増えている。松下会長は、個人投資家へのアドバイスについて「NISAで『つみたて投資』をしている個人投資家には、相場に一喜一憂することなく、『つみたて投資』を継続してほしい」と指摘した。

 また、「成長投資枠などで一括投資をしている投資家は『いいところがあったら利食い売りが出し、また安いところを買いたい』と考える向きがあるかもしれないが、『どこが天井で、どこが底か』は誰にも分からない。難しい相場になっていることをお伝えしたい。こちらの投資家にも、相場に一喜一憂することなく、投資を継続してほしい」と述べた。

 

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