世界の配当総額、第3四半期も過去最高を更新=日本の配当成長率、主要市場でトップクラス-米系大手のキャピタル・グループ
2025年11月17日 07時00分
(出所)「Capital Group,Global Equity Study: Dividend Watch Edition 2 November 2025」(クリックで表示) 米系大手運用会社のキャピタル・グループは、世界の主要株式市場を分析したグローバル株式調査「Global Equity Study」の第2弾を発表した。それによると、2025年第3四半期の世界の配当総額は、前年同期比6.2%増の5187億ドルとなり、四半期ベースで過去最高を更新した。
また、特別配当や為替変動などの一時的な要因を除いた「コア配当」の成長率は、6.1%増と堅調に推移した。調査は、時価総額ベースで世界の株式市場の約85%を占める1600社についての配当の支払い実績を分析した。
日本の配当総額は88億ドルと、第3四半期として過去最高を更新した。また「コア配当」の成長率は、前年同期比13.0%増だった。日本企業のコーポレートガバナンス改革の進展が株主還元の意識を高めているためで、日本の配当成長率は主要市場の中でトップ水準を維持しているという。
インベストメント・ディレクターの雨宮弘明氏は、高配当企業の特徴について「安定的に配当を支払い、増配を継続する企業は、概して経営のクオリティが高く、収益力を背景にキャッシュフロー創出力が強い傾向がある」と分析した。
その上で、高配当企業に投資する意義について「グローバル経済や金融市場の先行き不透明感が強まる局面では、株式投資において、特に重要なリターンの源泉になり得る」と評価した。
(雨宮氏)さらに、①イノベーションによって力強い利益成長を続ける米国 ②財政政策の積極化と規制緩和が進む欧州 ③コーポレートガバナンスの改善が継続する日本-など、各地の株式マーケット動向を分析。「グローバル株式のポートフォリオでは、異なる配当源泉にアプローチすることが可能になる。配当の観点でもグローバルに分散投資を行うことが重要だと考える」と指摘した。



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