• トップページ
  • 長期投資応援団一覧
  • ゴールベース型運用を支援する「GBASs」、来年夏、相続オプションを追加=日本初、「生前契約を前提としない資産承継」を可能に-日本資産運用基盤
ウォール・ストリート・ジャーナル
バロンズ・ダイジェスト

マーケットニュース

ゴールベース型運用を支援する「GBASs」、来年夏、相続オプションを追加=日本初、「生前契約を前提としない資産承継」を可能に-日本資産運用基盤

2025年11月13日 08時00分

大原啓一社長

 日本資産運用基盤(本社東京、大原啓一社長)は、「ゴールベース型資産運用ビジネス」を支援する「GBASs(ジーバス)ビジネス」に、来年夏にも相続対応機能を追加する。日本で初めて「生前契約を前提としない資産継承」を可能にしており、不測の事態になっても、投資一任契約を相続し「家族のゴール」を承継できる。

 相続オプションサービスの内容や仕組みについて、事業本部執行役員の直井光太郎氏に聞いた。

◆残高約700億円、顧客数1.1万件を突破=サービス開始から3年8カ月で

-GBASsとは

直井氏 お客さまの目標(ゴール)に向けた資産運用を、アドバイザーが生涯にわたって伴走する「ゴールベース型資産運用ビジネス」を支援するサービスだ。日本資産運用基盤が考案したコンセプトとサービス性に基づいて、金融サービス会社QUICKが支援ツールを開発した。

 現在は、野村アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメント、証券ジャパン、アイザワ証券の4社がプラットフォーマーとして、お客さまと投資一任契約を締結。プラットフォーマーと媒介契約を結んだアドバイザー機関の広島銀行、佐賀銀行、長野證券、今村証券などが、お客さまに対面でアドバイスを提供し、継続的にアフターフォローを実施している。

 11月上旬の業務受託対象資産残高は約700億円に拡大、契約件数も1.1万件を超えた。2022年4月のサービス開始から約3年8カ月で実現した。お客さまやアドバイザー機関の支持を背景に、順調に伸びている。

◆日本初、「生前契約を前提としない資産承継」で、不測の事態に備える

-相続オプションの内容は

直井氏 「ゴールベース型資産運用ビジネス」の世界観をさらに強化するため、来年夏に有償で相続オプションを追加する。

 現在は、契約者(被相続人)の死亡により、投資一任契約が終了し、現金化してしまうので、契約者(被相続人)や家族と考えた「家族のゴール」も終わってしまう。しかし、相続オプションを追加することで、配偶者や子どもたちが投資一任契約を相続し、「家族のゴール」を継続できるようになる。

 相続のスキームは「(資産承継特約付)死因贈与契約を締結するパターン」と「遺産分割協議書等に基づき相続するパターン」の二つを準備している。「GBASs」は契約者ごとに最大で10のゴールを設定できるが、どちらのパターンでもゴールごとに相続人を設定できる。

 一つ目は、「生前契約を前提とする資産承継」の仕組みだ。「(資産承継特約付)死因贈与契約」を締結するもので、既に一部の証券会社と銀行が提供している。投資一任契約に特約を付け、契約者(贈与者、被相続者)が死亡しても贈与手続きが完了するまで投資一任契約が終了しないこととしている。

 二つ目は、「生前契約を前提としない資産承継」の仕組みだ。被相続人が亡くなった後、相続人が「遺産分割協議」等に基づいて相続するもので、日本初になる。人はいつ亡くなるか分からないため、不測の事態に対応できるようにした。

 いずれのケースでも、相続人は被相続人とリスク許容度が異なるし、目標とするゴールの変更が必要になることもあるので、相続を契機に改めてアドバイザーと話して、ゴールやプランの内容を変更することができる。

◆お客さまの思いを届ける

-相続オプションで期待されることは

直井氏 相続オプションを提供することで、契約者(被相続人)の「残したい」「つなぎたい」という、配偶者や子どもたちに対する思いを届けることができる。「GBASs」は、お客さまと最大10の具体的なゴールを設定しているので、現金化するのではなく、投資一任契約を相続することで、契約者が生前に考えていた思いを引き継ぎたいというニーズが強いように感じている。

 金融機関は、相続オプションの提供により、①顧客ファミリーとの関係強化 ②顧客基盤の拡大 ③生涯顧客価値(Life Time Value)の最大化 ④相続人の口座獲得 ⑤ファミリーに向けた総合コンサルティング-などが可能になる。

 相続の話は、お客さまに「ゴールベース型資産運用」のアフターフォローをする中で切り出すと、親和性が高いと思われる。お客さまの現状を理解し、将来を一緒に考えるアドバイザーの提案であれば、言葉の重みが違う。突然、「相続を考えましょう。遺言信託はいかがですか」と、商品提供の話をしても、お客さまの気持ちに届かないだろう。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
オペレーションF[フォース]