野村アセット、初のETF相互上場=東証と台湾証取で-投資機会の多様化と拡大をめざす
2025年09月22日 08時00分

野村アセットマネジメントは18日、東証と台湾証券取引所にそれぞれ新たなETF(上場投資信託)を上場した。初のETFの相互上場になる。日本の投資家にとっては台湾株式への、台湾の投資家にとっては日本株式へのアクセスがそれぞれ容易になり、投資機会が多様化する。
東証に上場したのは、「NEXT FUNDS TIP FactSet 台湾イノベイティブ・テクノロジー50指数連動型上場投信(愛称:NF・台湾テック50 ETF)」(銘柄コード:412A)。革新を続けるテクノロジー分野の台湾株式50銘柄を組み入れた「TIP FactSet台湾イノベイティブ・テクノロジー50指数(税引前配当込み)」に連動する投資成果を目指す。
一方、 台湾証券取引所に上場したのは、「NEXT FUNDS -Nomura TOPIX Feeder ETF」。このファンドは、野村アセットマネジメントが東証に上場する国内最大のETF「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信」(銘柄コード:1306、純資産総額は約26兆6000億円)に投資し、「TOPIX(配当込み)」に連動する投資成果を目指す。
◆資本市場の架け橋、結び付きを深化=JPXの山道CEO

日本取引所グループ(JPX)取締役兼代表執行役グループCEOの山道裕己氏は、ETFの相互上場について「日本と台湾の資本市場のつながりを深める機会に貢献できたことを大変うれしく思う」とあいさつした。
その上で「日本では個人投資家により『貯蓄から投資へ』と意識の変化が起きている。また、テクノロジーを通じで、日本と台湾のつながりは深く、日々のニュースでも身近なため、本日上場したETFは、投資家から大変な関心を集められると思っている」と指摘した。
「資本市場の懸け橋により、日本と台湾が、アジアにおける強力なパートナーとしてますます結びつきを深化することを期待している」と述べた。
◆クロスボーダー商品をさらに拡大=台湾証券取引所のリー社長

台湾証券取引所社長のエディス・リー氏は「日台間で初のETF相互上場が実現し、両国の資本市場にとって、歴史的な一歩になった」とあいさつした。
その上で、台湾について「スマートテクノロジーの島として、AIや半導体などのテクノロジー関連銘柄が8月末時点で、台湾証券取引所の時価総額の約72%を占めている。グローバルなサプライチェーンで重要な役割を担っており、台湾市場への海外投資家の資金流入は年々増加している」と紹介した。
また「本日のETFの相互上場を新たな出発点として、今後も取引所や資産運用会社の連携を深め、より多くのクロスボーダー商品を市場に届けていきたい」と抱負を語った。
◆株式市場の一層の活性化へ、取り組みを推進=野村アセットの縣専務


野村アセットマネジメント取締役 専務の縣清志氏は、「今年は、日本にETF市場が創設されてから30年周年の節目になる。その運用資産残高は40兆円を超える規模に成長を遂げてきた」と指摘した。
その上で「本日、東証に上場したETFは、台湾の株式市場を代表する主要なテクノロジー関連企業に投資する。日本と台湾の株式市場のより一層の活性化につながる取り組みを引き続き行っていきたい」と述べた。