「iFreeETFキャセイ台湾テックリーダー指数」で説明会-大和アセットとキャセイ投信、台湾証券取引所
2025年09月16日 10時00分

大和アセットマネジメントとキャセイ投信(台湾)、台湾証券取引所の3社は12日、新規上場した「iFreeETFキャセイ台湾テックリーダー指数」(銘柄コード:413A)について、メディアカンファレンスを開催した。
このファンドは、キャセイ投信が台湾証券取引所に上場する「Cathay Taiwan Technology Leader ETF」への投資を通じて、台湾のテクノロジー・通信関連企業を代表する30銘柄で構成する「台湾テックリーダー指数」に連動した投資成果を目指す。台湾株式のみに投資するETFは、日本初だ。
◆iFreeETFで、投資の自由度を広げる=大和アセットの佐野社長
大和アセットマネジメントの佐野径社長は、新ファンド上場の背景について「日本の投資家にとって現在、台湾株式を取り扱う証券会社は数が限られていることから、売買の機会が限られている。しかし、このETFを上場することで、日本株式と同じようにどの証券会社からでも取引ができるようになり、台湾株式へのアクセスが格段に容易になる」と説明した。
「iFreeETF」シリーズは、投資の自由度を広げるように、品ぞろえを拡充しており、これまでにも、米国のビックテック銘柄に投資する「iFreeETF FANG+」(証券コード316A)、インド株式に投資する「iFreeETF インドNifty50」(同233A)、英国株式に投資する「iFreeETF 英国FTSE100」(同363A)などを上場させてきた。
大和アセットマネジメントは今年6月、キャセイ投信と「ETFのクロスボーダービジネスにおける協働強化を図るための覚書」を締結した。12日に東証に上場した新ファンドは、これに基づく最初の商品になる。
佐野社長は「台湾の投資家の皆さんが日本市場に容易にアクセスできるようにするために、キャセイ投信と協働して台湾市場へ商品を提供する準備を進めている」と意気込みを語った。
◆AIは台湾株式の長期的な上昇を後押し=キャセイ投信のチャン社長
キャセイ投信は、総資産運用規模は約710億米ドルで、市場シェアは約16%と、台湾を代表する資産運用会社だ。
アンディ・チャン社長は、台湾の株式市場について「生成AIは、インターネットやスマートフォン、5G・クラウドに続く新たなイノベーション(技術革新)の波を生み出し、台湾株式の長期的な上昇を後押しするだろう」と指摘した。
また、このETFが連動を目指す「台湾テックリーダー指数」について「米国のビッグ・テックのサプライチェーンを構成する台湾のハイテク企業を幅広くカバーしており、長期的な成長を期待できる。台湾企業は、活況を呈するAI産業の中で引き続き恩恵を受け、成長の機会をつかむだろう」と述べた。
◆世界11位の規模を誇る、流動性の高い市場=台湾証券取引所のリー社長
台湾証券取引所のエディス・リー社長は、台湾の株式市場について「総時価総額は約78兆新台湾ドルで、世界11位の規模を誇る。高い流動性を持っており、卓越したパフォーマンスを残してきた」と紹介した。
台湾の半導体産業について「世界で主導的な役割を担っており、資策会産業情報研究所の予測では、2025年までに世界全体の生産能力の17%を占める見込みだ。7ナノメートル以下の先端プロセスでは世界の生産能力の63%を占めると予想されている」と指摘した。
また、「台湾の半導体産業は、製造装置や冷却ソリューション、サーバー、パッケージング検査装置など、サプライチェーンを支える多くの企業がそろっており、うまく機能している」と述べた。
さらに、日本と台湾の株式市場の補完性に言及し、「クロスボーダーETFによって、より広範な分散投資と効率的な資産配分が可能になるだろう」と指摘した。具体的には、台湾は半導体やICT(情報通信技術)が中心で、成長性が高い。一方、日本は、自動車、銀行、化学など多様なセクターがあり、成熟した安定的な産業構造になっているという。