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退職金の使い道、53%が「不安や疑問あり」=成功談、失敗談をアンケート-家計診断・相談サービス「オカネコ」

2025年09月04日 08時00分

(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(クリックで表示)

 国内最大級の家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する400F(本社東京、中村仁社長)は、「オカネコ 退職金に関する調査」をまとめた。調査は8月下旬に、全国の「オカネコ」ユーザーのうち、自身や家族が退職金を受け取った経験や受け取る予定がある242人に実施した。

 この中で、「退職金の使い道について不安や疑問に感じることがあるか」を尋ねたところ、53.3%が「ある」と回答した。その内容については、「老後資金として足りるか不安」が54.5%でトップ。次いで「投資や運用で損をしてしまわないか」(25.2%)、「何から手をつければいいか分からない」(14.1%)だった。

 オカネコでは「退職金が老後の生活を支える上で十分なのか、またどのように管理・運用すべきかについて、多くの人が悩みを抱えていることがうかがえる」と分析している。

◆失敗談=「現金で放置してしまった」

(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(クリックで表示)

 退職金の使い道について「失敗談」を尋ねたところ、「退職金を現金で放置してしまった(運用せずに目減りした)」が20.5%で首位だった。次いで「専門家に相談せず、一人で判断してしまった」(17.3%)、「老後資金として残す分を決めず、生活費で使いすぎてしまった」(15.0%)だった。

 オカネコでは、「失敗の多くは退職金を受け取ったものの、どのように活用すべきか分からず、『何もしなかったこと』や『専門家に頼らなかったこと』への後悔であることが分かった」と指摘している。

◆成功談=「退職前から投資を始めた」

(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(クリックで表示)

 退職金の使い道について「成功談」を尋ねたところ、「退職金を受け取る前から投資を始めた」が23.9%でトップだった。次いで「退職後の具体的な収支シミュレーションを行った」(18.2%)、「退職金を受け取る前に、書籍やインターネットで情報収集をした」(17.0%)だった。

 オカネコでは「成功の鍵は、退職後のことを見据えた『早めの行動』と『情報収集』にあることが示唆される」と考察している。

◆役立つサービス=「老後資金のシミュレーションツール」

(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(出所)「オカネコ 退職金に関する調査」(クリックで表示)

 退職金への対応で役立つサービスを尋ねたところ、「老後資金のシミュレーションツール」が55.0%でトップだった。次いで「退職金の活用事例や失敗談をまとめた情報サイト」(40.1%)、「専門家(FPなど)に気軽に相談できるサービス」(28.9%)だった。

 オカネコでは、「退職金の活用に際して多くの人が、他者の成功・失敗事例から学びたいという『情報へのニーズ』と、専門家から直接アドバイスを受けたいという『相談ニーズ』を強く持っている。最も低い選択肢でも2割近い支持があることから、退職金に関する悩みは多岐にわたっており、一つだけの解決策では不十分であることも考えられる」と分析している。

◆三つのステップが重要=「見える化」「対話」「成功事例に学ぶ」-400Fの松井氏

(松井氏)(松井氏)

 400Fに所属するアドバイザーの松井大輔氏(1級FP技能士/CFP®/宅地建物取引士)は、調査結果について「多くの人が退職金に対して不安を抱えている。失敗談として『現金での放置』や『一人での判断』が上位に上がった。退職金という大きな資産を前にして、多くの人が適切な管理・運用方法を見出せていない現状を示している」と分析した。

 その上で、退職金の失敗を避けるため、「見える化」「対話」「成功事例に学ぶ」という三つのステップを紹介している。主な内容は以下の通り。

◆まず「見える化」から

 老後資金への不安は、将来の生活費や収支が明確になっていないことに起因する。まずは「老後、毎月いくらあれば暮らせるか」「公的年金はいくらもらえるか」を具体的にシミュレーションし、退職金で補うべき金額を把握しよう。これにより、漠然とした不安が解消され、具体的な目標設定が可能になる。

◆専門家との「対話」を始める

 一人で判断することに不安を感じる人が多い一方で、専門家への相談を避けている人も少なくない。退職金の運用や相続、税金対策など、専門的な知識が必要な分野では、ファイナンシャルプランナーなどの専門家との対話を通じて、自身の状況に合った最適なプランを見つけることが不可欠だ。また、専門家に相談することによって、「見える化」をサポートしてもらうことも可能だ。

◆「成功事例」から学び、早めの行動を

 成功談では「退職金を受け取る前から投資を始めた」が最も多かった。これは、退職後の資産形成を早期にスタートさせることの重要性を示している。また、「退職金の活用事例や失敗談をまとめた情報サイト」へのニーズも高い。情報サイトなどで他者の成功・失敗事例から学び、行動のヒントを得ることも有効だ。

 「オカネコ」では、お金の専門家が一人ひとりの状況に合わせたアドバイスを提供している。退職金について「何から始めていいか分からない」と感じている人は、まずはお金のプロとの対話から一歩踏み出してみてはどうだろうか。

◆400Fと「オカネコ」

 400Fは、「お金の問題を出会いで解決する」を理念に、2017年11月に設立された。家計改善、資産運用、保険などお金に関するさまざまなアドバイスを、ワンストップで無料相談できる国内最大級のプラットフォーム「オカネコ」を運営している。

 「オカネコ」は、スマートフォンから居住地や年齢、年収、家族構成などの約20の質問に答えるだけで、同エリア・同年代・同世帯構成の人と比較した家計状況を診断してもらえる。さらに、診断結果から推定した簡易ライフプランや、FPなどのお金のプロからの個別アドバイスコメントが届き、チャットや面談で個別相談もできる。

 また、人生をより豊かにするための賢いお金の使い方や、退職金をはじめとしたお金の悩みについて、自社運営メディア「オカネコマガジン」で、分かりやすく解説している。

 

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