年度末にかけて一段高か=AI株主導―10月~27年3月・時事株価フォーキャスト
2026年10月07日 14時00分

時事通信社は2026年10月~27年3月の日経平均株価の予想を市場関係者に尋ね、14人から回答を得た。人工知能(AI)・半導体関連株の高い成長期待がけん引し、年度末にかけて一段高になるとの予想が目立った。
上値予想の中央値は7万5000円で、最高値更新を想定する関係者が多い。上昇要因として「AI・半導体は高市政権が掲げる戦略17分野の柱」(服部誠丸三証券エクイティ本部長)、「AI関連企業の業績拡大」(大塚竜太東洋証券ストラテジスト)など、AI関連株が引き続き原動力になるとの見方が多い。
8万円超えを予想する声も聞かれた。大塚俊一いちよし証券投資情報部部長は「金利上昇への警戒から調整しているAI・半導体株は、業績の伸長とともに、再び上昇基調に戻る」と期待する。坪井裕豪・大和証券チーフストラテジストは「27年は米大統領選挙の前年で株高になりやすい」として、堅調な米株が日本にも波及し、8万3000円も視野に入るとみている。
一方、下値予想の中央値は6万円だった。「中東情勢の悪化に伴い原油高と供給制約が強まり、インフレ再加速懸念が台頭すること」(石原宏美アムンディ・ジャパン株式運用部長)を理由に挙げる関係者が多い。嶋津洋樹MCPアセット・マネジメントチーフストラテジストは「日米景気の悪化や両国中央銀行の積極的な利上げ」などで5万7500円まで下落する可能性があると指摘する。
調査は9月下旬から10月上旬に実施した。(了)
【時事株価フォーキャスト(2026年10月~27年3月)回答一覧】
◆名前・肩書き
①■万■~■万■円(方向感)
②上値の条件
③下値の条件
◆嶋津洋樹・MCPアセット・マネジメントチーフストラテジスト
①5万7500円〜7万円(目先は7万円台を試す可能性があるものの、年末にかけて6万円程度までやや早いペースで調整へ)
②日米景気の回復継続、AI需要に対する期待の持続
③日米景気の悪化、AI需要に対する期待の剝落、日米中央銀行の積極的な利上げ(毎四半期など)
◆窪田朋一郎・松井証券チーフマーケットアナリスト
①5万9000円〜7万2000円(11月にかけて下落し、その後徐々に回復)
②長期金利の落ち着き(低下)およびAIデータセンター向け資金調達の円滑化
③米長期金利上昇とそれに伴うジャンク債金利の上昇や一部企業の破綻
◆岡本祐太・東海東京インテリジェンス・ラボ マーケットアナリスト
①6万円~7万2000円(メインは年末にかけて上昇後、もみ合いを想定)
中間決算を材料に年末にかけて上昇、その後は日銀の金融政策や金利動向を見極める展開を想定
②4~9月期(中間)の決算発表で上方修正が増える(EPS成長期待の維持、加速)。利上げペース加速への懸念が後退し、PERの低下が止まる。PERの低下が止まれば、EPS成長に沿った堅調な推移が期待できる。
③中東情勢長期化による原油高や日銀の利上げ加速を受けてPER低下が続き、中間決算も期待程ではないとなれば日経平均は6万円近辺までの調整も想定される。
◆浪岡宏・T&Dアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー
①6万円~ 7万7000円 (基本的には上昇基調を予想。日米経済の堅調さ、AI関連需要が半導体市況を支える中で株価は堅調に推移すると見込む。日本企業の経営努力も引き続き評価される公算。)
②AI関連期待がかなり高まった場合には株価は上振れやすいだろう。また、今年の6月に見られたような形で、NT倍率が上向く場合には到達の可能性が高まるだろう。
③地政学リスクが高まり原油価格が高騰した場合や日米の長期金利がさらに大幅上昇した場合などには株価に重しになる可能性。ただし、時間の経過とともに予想EPSは切りあがっていく公算で、レンジの下限が実現する可能性は見通し期間の後半に進むにつれて、小さくなるとみている。
◆石原宏美・アムンディ・ジャパン 株式運用部長
①5万8000円~7万3000円( 26年12月末にかけて上昇基調、27年1~3月期はもみ合い)
②中東情勢の緩和で原油高・インフレ懸念が後退し、米追加利下げ観測が再浮上すること。加えて、世界景気と日本経済が底堅く推移し、企業業績の拡大が続くこと。
③中東情勢の悪化に伴い原油高と供給制約が強まり、インフレ再加速懸念が台頭すること。加えて、AI関連の巨額投資への警戒感から半導体・AI関連株が調整し、さらに高市政権の成長戦略の実効性や財源への不透明感が強まること。
◆大塚俊一・いちよし証券投資情報部 部長
①6万円~8万2,000円。上昇
②金利上昇への警戒から調整しているAI・半導体株の高い成長期待に変化はなく、業績の伸長とともに、株価は再び上昇基調に戻るとみる。米国の中間選挙が終えれば、政治的な不透明感が一掃される上、中東での紛争もいずれ(遅くとも来春までに)解決の糸口がみられ、原油価格も落ち着き、インフレへの警戒が和らぐだろう。
③世界的にインフレが抑制されずに、金利の上昇が長期化し、世界景気の後退が意識されること。国内では円高、原油高、金利上昇が企業業績の重荷となり、減益を余儀なくされる局面に陥ることだが、そうした可能性は低いだろう。
◆しんきんアセットマネジメント投信 藤原直樹・シニアファンドマネージャー
①64000ー76000円 方向性→↗↘
②2026年7-9月期決算で上方修正が増加し、来期に向けて増益基調が続く確度が高まる
③イラン戦争の拡大により原油価格が急騰し、米国の利上げ見通しが加速する
◆アイザワ証券 三井郁男・投資顧問部ファンドマネージャー
①米国中間選挙の動向が見えてくる時期が近づき、株価は徐々に下値を切り上げる。
最大の懸念要因の原油価格も中間選挙前にイランと米国の協議が進展する可能性が有る。
エネルギー価格の落ち着きで、インフレ率が落ち着き、金利上昇も落ち着く可能性が有る。
好調な企業業績と設備投資堅調で中期的な利益成長に投資家の視線が向かいやすくなる。
AI関連と半導体を含む循環物色が続けばより底堅くなる。
中間選挙前から上昇基調に入り年末72000円。27年3月は75000円程度。
②・中東情勢が安定化に向かい原油価格が落ち着く
・企業の設備投資が堅調に推移する
・中間決算で好調な業績が確認できる
・金利上昇が落ち着く
③・中東情勢の混乱が長期化する
・インフレが落ち着かず金利上昇圧力が続く
・ハイパースケーラーの設備投資が鈍化する
・為替市場の急変
◆三菱UFJリサーチ&コンサルティング 小林真一郎・主席研究員
①60000円~73000円
もみ合い後、年度末にかけて上昇
②・米国・イランの戦闘終結と原油価格の下落
・物価安定を受けてのFRBの利下げと米国長期金利の低下
③・中東情勢の一段の悪化、泥沼化と原油価格の上昇・高止まり
・世界的な物価上昇圧力の高まりと、各国の長短金利の上昇
・日本の財政悪化懸念の高まりと国債利回りの一段の上昇
・AI需要の急速な調整
◆井出真吾ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジスト
①5万8000~7万3000円(乱高下しつつも上向き)
②今後も、28年3月期の2桁増益期待が続くこと。国内企業の業績はAI関連を中心に良好。インフレ環境が続くとすれば、収益も改善が続くだろう。中東情勢、米国消費の若干の鈍化などリスク要因もあるが、現時点では来期2桁増益がメインシナリオだろう。
③米中間選挙を前に投資家がリスクを落とすなど、通常の相場サイクルの中でのリスクオフでも6万円を割ることはあり得る。
◆大塚竜太・東洋証券ストラテジスト
①6万0000~7万5000円(基調は上向き、早ければ年内に高値更新)
②AI関連企業の業績拡大。銀行も好業績が見込まれ、AIと銀行が二本柱となって相場をけん引する展開が今後も続く。
③原油高。金利の一段上昇によるハイパースケーラーのクラウディングアウトを連想した売りが広がること。AIの開発抑制の動きが出たり、収益化をめぐる疑念が強まること。米中間選挙での共和党の大敗(上下院とも落とすなど)による米株の急落。
◆藤代宏一・第一ライフ資産運用経済研究所主席エコノミスト
①レンジ上限は7万4000円(上向き)
②夏場以降の株価調整局面でも企業利益の予想は切り上がっており、日経平均株価が最高値を付けた6月よりバリュエーションは下がっている。今後半年間、利益予想はさらに上向くと考えられ、極端な金融引き締めなどバリュエーションを低下させる要因がなければ再度高値を取るのは自然な流れだ。
③下振れリスクは原油高。トランプ関税の影響がはく落してインフレ圧力が和らぐ中、原油価格さえ落ち着けばすぐにでも利上げの停止が可能で、足元、リスクは「原油のみ」とも言える状況だ。
◆服部誠・丸三証券エクイティ本部長
① 65,000円~77,500円(10月は足場固めをして、年末~期末にかけては上値を試す)
② 物色対象が「AI投資関連」か「それ以外」かによって大きく異なるが、AI・半導体は高市政権が掲げる戦略17分野の柱であると同時に、日本経済をけん引するパワースポットと化しており、様々な企業がこの分野に集結してきている。日本には米ハイパースケーラーの巨額投資によって非連続的な成長を遂げる企業が多く存在しており、10月下旬から発表される四半期決算で通期業績見通しを増額修正する企業も多いだろう。また米中間選挙後や年末高のアノマリーも意識されやすい。
③ AIの暴走に対する警戒感から規制が強化され、ハイパースケーラーを中心とするAI投資が減退すれば、関連銘柄は一時的にせよ値幅調整は免れず指数を押し下げる。また中東情勢の混迷が長引き、世界的な金利上昇に歯止めがかからなければ、景気不安から株式市場が下押す展開が想定される。
◆坪井裕豪・大和証券チーフストラテジスト
①↗ 6万4000~8万3000円
②原油価格が落ち着きを取り戻すこと。市場の目線がマクロの不透明感から企業業績というミクロの期待材料に移り変わることで実現できるとみている。米国の10-12月期は株高になりやすいシーズンだ。さらに、2027年は大統領選挙の前年で株高になりやすい。アノマリーを意識しながら米国市場は動くとみられ、堅調な米国株の値動きが日本株にも波及すると考える。
③中東情勢に対する不安が長引き、原油と金利が高止まりすること。



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