公募株式投信(除くETF)、2.0%減の132兆円=3カ月連続で減少-4月の投信概況
2025年05月16日 08時30分

投資信託協会がまとめた2025年4月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比2.0%減の132兆9504億円となり、3カ月連続で減少した。
一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比0.6%減の234兆7811億円となり、こちらも3カ月連続で減少した。
月間の新規設定ファンドは17本、償還本数は25本だった。この結果、運用中のファンド本数は前月末比8本減少して、5767本になった。
◆23カ月連続で資金流入超

公募株式投信(除くETF)の資金動向は1兆2433億円の純資金流入と、23カ月連続で流入超となった。少額投資非課税制度(NISA)を通じて個人投資家からの高水準の資金流入が継続した。
一方、運用増減額はマイナス3兆8059億円だった。4月末は、日経平均株価が前月末比1.2%上昇したものの、NYダウは同3.2%低下した。月末の円相場は1ドル=142円57銭と、前月末(同149円52銭)と比較して、円高に振れた。
◆「設定」「解約・償還」、過去1年の平均を下回る
公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は3兆2541億円だった。過去1年間の平均(3兆6688億円)を下回った。
一方、「解約・償還」は2兆0108億円で、こちらも過去1年の平均(2兆2786億円)を下回った。
◆主な商品分類、いずれも流入超過に

主な商品分類別に資金増減額を見ると、「国内株式型」「海外株式型」「内外株式型」「内外資産複合型」のいずれも資金流入超になった。「国内株式型」は2764億円の流入と、前月(1803億円)を上回った。
◆相場急落にも投資家は冷静に対応
トランプ米大統領が4月2日、貿易相手国に相互関税を課すことを発表し、各国の株価が急落した。ただ、投信市場には、順調な資金流入が継続した。
松下浩一会長は、「株価は大きく下落したが、投資家は冷静で、大きな動きが見られなかった。昨年8月にも大きな下落を経験したが、少額投資非課税制度(NISA)や投資信託を利用する投資家は、相場に一喜一憂しない傾向があるように考察できる」と話した。

◆NISA、順調に拡大
投資信託協会は、金融庁のデータを基に、NISAの利用状況を「口座数の推移」と「つみたて投資枠の買付額・売却額の推移」に分けてグラフにまとめた。

