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欧州・アジアの機関投資家、半数以上が「ESG」を重視=フィデリティ・インターナショナル

2025年01月29日 08時30分

今後のポートフォリオの構築におけるESG要素の重要性 

 フィデリティ・インターナショナルが実施したグローバル調査によると、欧州・アジア太平洋の機関投資家の半数以上が、アセット・アロケーションの決定に当たって「ESG(環境・社会・ガバナンス)」を重視していることが分かった。

 調査の中で「今後のポートフォリオ構築におけるESG要素の重要性」を尋ねたところ、「環境」は63%、「ガバナンス」は58%、「社会」は51%の投資家が、「重視する」と回答した。いずれも半数を超えた。

 また「ESG投資の課題と障壁」については、「影響の測定の難しさ」(68%)、「規制の変更や一貫性」(52%)、「リスク/リターンのバランス」(49%)が上位を占めた。また、アジア太平洋の機関投資家では「質も高い金融商品の不足」を挙げる声も多かったという。

 調査は昨年10~11月、調査機関と共同で、欧州とアジア太平洋の機関投資家など125社に将来の投資動向などを尋ねた。

◆透明性向上や標準化で「障壁」を取り除く

 フィデリティ・インターナショナルのチーフ・サステナビリティ・オフィサー、ジェン ホイ・タン氏は「ESG投資は現在、アセット・アロケーションの主流となっているが、『障壁』を取り除くためさらに進展させることが必要だ」と指摘した。その上で「データの透明性の向上や標準化、『意思決定に有用な情報開示』を可能にする国際的な規制や制度を引き続き支持する」と述べた。

◆アジアの重点分野は「トランジション」

 さらに「アジアでは、関連金融商品への投資やアクセスが、引き続き欧州に後れをとっていることが調査でわかった」と指摘。「アジアにおける重点分野である『移行金融(トランジション・ファイナンス)』は、国レベルの移行計画や革新的な枠組み、商品設計によって進められている。これにより高まる顧客ニーズに対応したプロダクト・イノベーションが進むと考えている」と話した。

 

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