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トランプ政権へ「期待と警戒」=政策リスクで不透明な市場環境=フランクリン・テンプルトン・ジャパンの和泉氏

2025年01月23日 13時30分

和泉祐一シニア・リサーチ・アナリスト

 米大手運用会社の日本法人フランクリン・テンプルトン・ジャパンは「米国株の市場展望」をまとめた。和泉祐一シニア・リサーチ・アナリストは「トランプ政権への期待と警戒が交錯している。2025年は『規制緩和・減税』と『関税引き上げ』が同時に進められる可能性があり、政策リスクから不透明な市場環境が続くだろう」と話した。主なポイントは以下の通り。

◆米国金利の注目点

 米金利の上昇懸念が、米国株の上値を抑える要因になっている。連邦準備制度理事会(FRB)は、昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、インフレの動向を注視しながら慎重な利下げを継続する姿勢を示したが、市場はそれよりも早期の利下げ終了を織り込み始めている。2026年以降の金利見通しを巡って、FRBと市場の見方に乖離(かいり)が出てきており、これがどのように収れんしていくかが、今後のポイントだ。3月のFOMCで、どのような金利見通しが示されるか注目している。

◆米国株式の注目点

 不透明な市場環境下では、「米国企業の稼ぐ力」や「配当などの株主還元」に投資家の注目が向かいやすい。収益の面では、大手ハイテク企業の利益の伸びがピークアウトしつつある。それに代わって、幅広いセクターに業績回復が広がる見込みで、セクター面での物色の広がりにつながるだろう。

 2025年末の「S&P500指数」は、6400~6800ポイントに上昇する可能性がある。足元は、トランプ政権の発足をめぐる不透明感から株価は調整しているが、年末にかけて企業収益の改善を背景に株価が持ち直すと見ている。

◆物色セクターが広がる可能性

 「大手ハイテク株への集中リスク」が、昨年からの米国株式市場の懸念点だったが、2025年もポートフォリオの分散が市場の重要なテーマになってくるだろう。

 具体的には、法人税減税や保護主義的な政策が後押しになり、「内需型企業」の評価が高まる可能性がある。また、規制緩和で「エネルギー」「金融」セクターの活性化が期待される。さらに、AIデータセンターの投資拡大で、「ハイテク」だけでなく、「電力」「パイプライン」「REIT」などの周辺インフラ産業に恩恵が広がるのではないか。

 債券と株式の分散では、リスク特性の違いという点で、例えば米国の地方債のような、高格付けの債券に投資妙味 があるのではないかと見ている。

 

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