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DX対応企業、前年の3倍に拡大=決算短信をテキスト分析-フィデリティ

2021年06月23日 10時00分

丸山隆志副社長

 フィデリティ投信が、3~5月に発表された東証1部企業の決算短信をテキスト分析したところ、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を使用した企業は、395社だった。前年同期(132社)の約3倍、前々年同期(72社)の5倍強に急拡大していることが分かった。

 DXとは、企業がデータやデジタル技術を活用して、競争上の優位性を確立すること。デジタル化が「ビジネスプロセスを効率化する取り組み」にとどまるのに対して、DXは「会社全体を作りかえること」とされる。運用本部長兼日本株最高投資責任者の丸山隆志副社長は「企業経営におけるDXの成否のインパクトは極めて大きくなる」と重視している。

(図1)決算短信でDXに言及した企業の株価パフォーマンス(図1)決算短信でDXに言及した企業の株価パフォーマンス(クリックで表示)

 この395社の株価パフオーマンスを、残りの1795社と比較したところ、直近5年間のトータルリターンは85.9%で、残り企業(69.0%)を上回った(図1)。丸山氏は「株式市場ではDXの観点で銘柄選別が既に進みつつあるようだ」と分析した。

(図2)「DX銘柄2021」の株価パフォーマンス(図2)「DX銘柄2021」の株価パフォーマンス(クリックで表示)

 経済産業省と東証は6月7日、デジタル技術でビジネスモデルを抜本的に変革した企業「DX銘柄2021」を発表した。「選定された28社を等金額で保有するポートフォリオ」と「東証株価指数(TOPIX)を等金額で保有するポートフォリオ」について、2020年5月を100として指数化したチャートを描いて比較したところ、DX銘柄のポートフォリオのリターンが上回っていた(図2)。丸山氏は「今後ますますDXの観点が銘柄選択において重要度を増していくだろう」と指摘している。(了)

 

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