公募株式投信(除くETF)、0.8%減の127兆円=2カ月連続で減少-8月の投信概況
2024年09月13日 08時45分
投資信託協会がまとめた8月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比0.8%減の127兆2380億円となり、2カ月連続で減少した。円高で運用損益がマイナスになった。日経平均株価は下落、NYダウは上昇した。
ただ、新NISA(少額投資非課税制度)を通じて個人投資家から高水準の資金流入が継続しており、設定から解約等を除いた純資金流入額は1兆3362億円と、15カ月連続で流入超となった。
一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信で見ると、純資産総額は前月比1.2%減の228兆7281億円となり、こちらも2カ月連続で減少した。
月間の新規設定ファンド本数は27本、償還本数は52本となり、運用中のファンド本数は前月比25本減少し、5836本になった。
◆高水準の設定が続く
公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、設定は3兆5018億円と高水準だった。2023年の平均額(2兆3911億円)を大きく上回った。
◆8月の相場乱高下、大きな影響見られず
松下浩一会長は、8月初旬に株価が乱高下した影響について「数字を見る限りは、大きな影響はないと思う。公募募株式投信(除くETF)の純資金流入額は1兆3362億円と、(新NISAがスタートした)1月以降と同じ水準で推移している。」と指摘した。
その上で「投資家の気持ちになって考えると、『(株価が)大きく値下がりして、どうしよう』と見ているうちにスルスルと戻ったので、何もアクションを起こさず、『相場はこのように大きく変動することもあるのだなあ』と感じたというのが実態ではないか」と述べた
岸田文雄首相の後任を決める自民党総裁選が9月12日、告示された。松下会長は、新総裁に求めることについて「岸田首相は、日本の資本市場が世界に比べて遅れているということで、『資産所得倍増プラン』や『資産運用立国』などさまざまな施策を推進し、それがようやく軌道に乗ったところだ。(新総裁には)こうした方向性の施策を期待したい」と述べた。