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〔マーケット〕来年6月末に1ドル=146円程度の円高を予想=日本の利上げ、米国の利下げで-日興アセット・神山氏

2024年07月25日 12時00分

神山直樹氏

 日興アセットマネジメントは、四半期ごとにまとめる経済見通し「グローバル・フォーサイト」の2024年夏号をまとめた。チーフ・ストラテジストの神山直樹氏は、日本の利上げと米国の利下げを背景に、2025年6月末には1ドル=146.5円の円高を予想した。主なポイントは以下の通り。

◆米国経済と金融政策

 米国のGDP成長率は、現在の2.7%から年末にかけて1.8%へ緩やかに減速し、米国経済はソフトランディングするだろう。米国の消費が維持されることで、米国の輸入も高いレベルで推移し、日本の輸出も高い水準が継続すると見ている。

 米国の賃金上昇率は、時間をかけて低下してきた。もう少し下がると、賃金上昇によってインフレが再燃するというリスクは低くなるだろう。米連邦準備制度理事会(FRB)は7-9月に利下げに転じると予想している。

◆日本経済と金融政策

 日本経済は、ヒト・モノ・カネの不足が続いており、構造的な改善が継続すると予想している。賃金上昇率がインフレ率を上回る状況となり、労働者の収入が増加して消費が拡大することが期待される。日銀は7-9月に利上げを行うと予想している。

◆為替、株価の見通し

 円相場は、2025年6月に1ドル=146.5円と予想した。コロナ禍の特殊要因から脱し、経済データや金利・インフレ率の差で、冷静に判断する状況になるだろう。

 日経平均株価は、横ばい圏で推移し、来年6月末で4万2300円と予想している。ヒト・モノ・カネの不足に応じて賃金が上昇し、家計収入の増加で消費が拡大し、日本経済が成長するかどうか、確認する時間が必要になるだろう。

 

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