シャープレシオで独自の評価基準を開発=ファンド選びは「効率」重視で-モバイルサポート
2021年05月12日 09時31分
投信評価会社のモバイルサポート(本社東京、河合行宏社長)は、ファンドの運用効率の指標である「シャープレシオ」を使いやすく数値化した、世界初の評価基準「SR偏差値」を開発した。投資初心者でも簡単に優れたファンドを見つけることができるように、新たに投信評価サイト「見つかる!投資信託!シャプレ」を立ち上げ、無料でコンテンツを提供している。
河合社長は「投信選びは現在、リスクを考慮しないリターンランキングや、売れ筋ファンドを集めた人気ランキングが重視されているが、投資家ごとのリスク・リターンの好みに合わせて、運用効率が優れた、シャープレシオの高い投信を選ぶことが大切だ」と話している。
シャープレシオとは、ファンドの過去の一定期間のリターン(※短期金利を引いたもの)をリスクで割った数値。リスク当たりのリターンを測ることで、運用効率の高さが分かる。ノーベル経済学賞を受賞した米国のウィリアム・シャープ氏が考案した。
シャープレシオの数値は、ファンドを販売する金融機関のホームページ等で確認できるが、知名度が低く、同じ投資対象のファンドのデータを集めて比較しないと優劣が分からないなど手間がかかるため、普及していない。
モバイルサポートは、シャープレシオを偏差値にすることで、平均(50)に比べて、どれくらい優れているか、劣っているか、一目で分かるようにした。投資信託協会が分類した「国内株式」「海外株式」などの10のカテゴリーごとに、全ての投信をランキングして、サイト「見つかる!投資信託!シャプレ」に掲載した。
「ファンドの評価は☆(星)を使って5段階で表現する方法が一般的だが、『SR偏差値』は概ね30から85の数値で表されるので、一番優れたファンドを見極めることができる点が特徴だ」(河合社長)という。
このサイトは、金融機関の関係者や、投資ブロガー、投資系youtuberなど全ての投資家のニーズを満たすように、「SR偏差値」を使ったランキングのほか、シャープレシオの高いファンドが視覚的に分かる「リスク・リターンマップ」、指定日から最大9ファンドのリターンの推移をグラフで示せる「ファンド比較」、分配型ファンドの運用実績を「元本」と「受け取り分配金」に分けて表示した「期間別運用実績」などを掲載している。
河合社長は「シャープレシオは、全てのファンドマネジャーが重視する指標だが、個人投資家には分かりにくく、利用されてこなかった。『SR偏差値』によって、投資初心者にもシャープレシオを使いやすくすることで、『投信選び』に新しいトレンドを作っていきたい」と意気込みを語っている。(了)
【参考】モバイルサポート 投信評価サイト「見つかる!投資信託!シャプレ」
https://mfund.jp/shapre/