新NISA、順調な滑り出し=目標達成へ、20~40歳代への働きかけ継続がカギ-日本総研の下田主任研究員
2024年06月21日 06時30分
日本総合研究所の下田裕介主任研究員は、調査レポート「順調な滑り出しとなった新NISA―勢いの持続が課題。20~40歳代への働きかけ継続がカギ―」をまとめた。
金融庁が6月12日に公表した「NISA口座の利用状況調査」によると、2024年3月末のNISA口座数は昨年末比9%増の2323万口座に、累計買付額が同17%増の41.6兆円に、それぞれ増加した。
政府は、2022年に策定した「資産所得倍増プラン」の中で、今後5年で口座数を3400万口座に、累計買付額を56兆円にそれぞれ倍増する目標を掲げている。下田氏は22年のレポートで、この目標達成のためのシミュレーションを作成している。
下田氏は、2024年3月末の累計買付額について「成長投資枠での買付が伸びをけん引し、シミュレーションを上回るペースで拡大している」と評価した。
口座数については「おおむね順調に進ちょくしているが、年代別にみれば、20~40歳代では目標達成までに必要な口座数(シミュレーション値)との差が大きく、潜在需要の取り込みや、さらなる新規需要の掘り起こしが必要」と指摘している。
今後についても「金融教育の充実や、不稼働口座保有者への働きかけなどを通じて、口座開設や買付額を継続的に拡大させていく必要がある」と話している。
【日本総研】調査レポート「順調な滑り出しとなった新NISA―勢いの持続が課題、20~40歳代への働きかけ継続がカギ―」
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