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ABCash、「『SNS型投資詐欺』にダマされない特別講座」を開催=厚切りジェイソン氏らが登壇

2024年04月25日 08時15分

(※)左端が厚切りジェイソン氏、右端が阿久津由貴氏(※)左端が厚切りジェイソン氏、右端が阿久津由貴氏

 金融教育ベンチャーのABCash Technologies(本社東京、辻侑吾社長)は、「投資詐欺にダマされないための特別講座」を開催した。「SNS型投資詐欺」が急増していることから、同社の特別講師でタレントの厚切りジェイソン氏とファイナンシャルコンサルタントの阿久津由貴氏がパネルディスカッション方式で、詐欺の手口や詐欺商品の見分け方、投資詐欺に遭わないためのお金の知識について話し合った。

 SNS型投資詐欺とは、SNS上に著名人の画像を使った偽の広告を掲載し、チャット型のアプリなどに誘導して投資を勧め、金銭をだまし取る犯罪だ。警察庁によると、昨年の被害額は約278億円に急拡大した。厚切りジェイソン氏の画像も不正に使用された。「怒りもあるが、私のファンも被害に遭っているので、悲しく、心が痛い」と話した。

 こうした詐欺に遭わないためにどうすればよいだろうか。厚切りジェイソン氏は「投資の基本を勉強して、現実的なリターンをイメージできるようすることで、それを超えるものや、『確実にもうかる』といった、ありえない話を疑うことができるようになるのではないか」と指摘した。

 また、被害を無くすために必要なこととして、「投資詐欺を社会問題としてオープンに話し合って、具体的な手口についても情報を共有しておくことで、だまされる人が減り、詐欺がやりにくい環境を作ることができるだろう」(厚切りジェイソン氏)と話した。

 ただ、人工知能(AI)などIT技術の進展で、映像や動画の加工がより簡単で巧妙になることが想定される。「偽広告が掲載されているアカウント名や、振込み口座の名義に注意するなど、自己防衛も大切になる」(同)と指摘した。

 阿久津氏は、詐欺に遭った場合の対応として、①お金を振り込んだ金融機関に連絡する ②警察に被害届を出す ③金融庁の「金融サービス利用者相談室」などの公的機関を利用する-などを紹介した。

 ABCash Technologiesは、「お金の学習データ」をベースに、パーソナル講師が1人1人に合わせてトレーニングメニューを提案し、家計管理から資産形成に必要な金融リテラシーの習得をマンツーマンで伴走サポートする個人向け金融教育サービスを提供している。2018年の創業以来、Z世代やミレニアル世代を中心に5万人以上にお金のトレーニングを行っているという。

 辻社長は、特別講座を開催した狙いについて、「新NISAがスタートし国民全体で資産形成に取り組む流れができたが、投資詐欺が広がることでこうした流れにブレーキがかかるようなことがあってはいけない」と指摘。「資産運用の拡大と同時に、正しい知識を普及させていきたい」と話した。

 その上で「資産形成を実行する上で大切な力が三つある。『お金を守る力』『お金を殖やす力』『お金をかせぐ力』だ。NISAはこの中の『お金を殖やす力』だ。『お金を守る力』と『お金をかせぐ力』を合わせて、網羅的にお金を学び、実践できるようにすることが大切だ」と述べた。

 

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