Japan Asset Management、ダンサーチームに金融リテラシーワークショップを開催=アスリートのライフプランを応援
2025年06月10日 14時00分

独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)が資産コンサルティングを提供するJapan Asset Management(本社東京、堀江智生代表取締役)は、プロダンスリーグ「D.LEAGUE」で活動するCyberAgent Legit所属のダンサーを対象に、金融リテラシーワークショップを開催した。
Japan Asset Managementは、アスリートをサポートするプロジェクト「アスマネ」を推進している。アスリートは、サラリーマンと比較すると、収入が不安定で、生き方もさまざまだ。カスタマイズされたライフプランニングや生涯にわたるサポートの重要性は大きい。
ワークショップでは、資産形成の基礎、少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)、投資詐欺対策について、座学とゲームで学んだ。同社プライベートコンサルティング部マーネージャーで JAM Academy塾長の林優作氏と、同部アドバイザーの齋藤虹葉氏に話を聞いた。
-ワークショップの内容は
齋藤氏 SNS上には投資に関するたくさんの情報が溢れている。投資詐欺ということもある。ワークショップでは初めに、危ない情報の特徴を示して、注意喚起した。
次に、ライフプランニングだが、プロダンサーは、サラリーマンと比べると、「体が資本」という要素が強い。けがで体が動かなくなったり、年齢を重ねるにつれてパフォーマンスが落ちてしまって、収入が減ることも考えられる。このため、将来の生活のことも考えて、「どのような補償を準備しておくか」あるいは「資産形成していくか」が、重要になる。
-ワークショップを行った経緯は
齋藤氏 Japan Asset Managementは、CyberAgent Legitのスポンサーをしている。その中で、あるメンバーへの金融教育の機会がきっかけになった。実際に受けた本人から「もっと早く知りたかった」と好評をいただき、チーム全体に向けてワークショップを実施する運びとなった。
-アスリートに対するJapan Asset Managementの取り組みは
林氏 当社は、プロ野球やサッカー選手にコンサルティングを提供している。また、バトミントンやサッカーチームに金融経済教育を提供してきた。
2023年8月からは、「アスマネ」という名称でプロジェクトを立ち上げ、アスリート向けの金融経済教育を展開している。当社は、創業当初より総合的な金融知識を学べるコミュニティーとして「JAM Academy」を運営してきたが、それをアスリート向けにカスタマイズしたものになっている。
サラリーマンであれば、定年に向けて年収が増えていくイメージだが、プロアスリートの場合は、年収が減少していくスピードが速く、活躍できる期間が短いことも多い。あるいは、契約金などで大きなお金を取得することもある。このため、IFAのコンサルティングによって、将来を見据えたライフプランを作成し、生涯にわたって伴走する効果は大きいと考えている。
アスリートのライフプランニングについては、「運用と補償のバランス」を大切にしている。突然、収入が途絶えてしまうケースもあるためだ。生活水準が高いところから、一気に年収が減少すると、生活を維持することが難しくなる。それを補うために保険などで補償する部分をしっかり確保した上で、資産運用を考えることが大切だろう。
-投資を理解するゲームは
林氏 投資を理解してもらうため、参加者に馴染みのあるストリート系アパレルブランド5社の株式で、5年間の資産運用を体験してもらった。1銘柄に集中投資する人、5銘柄に分散投資する人、さまざまだったが、5年後の株価は、大きく上昇したものから、マイナス圏に沈んだものもあり、分散投資の重要性を感じてもらうことができた。
「長期・分散投資」といっても、運用未経験者にはなかなかイメージしにくい。実際に体験するアクティビティを大切している。グループでゲームに参加してもらうと、分散投資で堅実に運用する人がいる一方で、集中投資で大きくリターンを上げたり、損したりする人がいたりするので、いろいろな視点で投資を考えることができる。
このほか、投資詐欺については、だまされないための最低限のリテラシーを身に付けてもらうため、一般的なリターンの水準観を知ってもらったり、「元本保証」「絶対もうかる」といった注意すべき言葉を紹介したりしている。
-NISAやiDeCoの紹介は
齋藤氏 「長期分散積立」といった資産形成の基本を伝える中で、NISAやiDeCoを紹介している。政府は、税制上の優遇措置を設けて、長期の資産形成を後押ししている。こうした制度を利用することで、より有利に資産形成できることを話している。
林氏 参加者からは「どこから、何を始めたらいいか」といった質問が出た。その際には、NISAを活用することを紹介した。また、証券会社によっては100円から投資信託を購入できることを話した。投資を身近に感じてもらえたようだ。
-今後の展開は

林氏 「JAM Academy」では、小中高校生向けに金融経済教育を提供している。高校生の中でもプロスポーツを目指している生徒の多い高校に、アスリートを招いて、人生設計やキャリアの考え方、お金の位置づけなどを話してもらうことを考えている。
当社は、金融経済教育について、「学校」と「アスマネ」という二つの軸に加えて、会社員を対象とする「職域」の取り組みを拡大している。より多くの方の金融リテラシーを高め、投資家の裾野を拡大していきたい。