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日本、移行債で世界をリード=官民で今後10年間に150兆円を調達-フィデリティ・リポート

2024年04月24日 08時00分

(出所)フィデリティ・インターナショナル(出所)フィデリティ・インターナショナル(クリックで表示)

 フィデリティ・インターナショナルはこのほど、アジアの気候変動情勢とトランジション・ファイナンス(移行金融)に関するレポートをまとめた。トランジション・ファイナンスとは、炭素排出量の多い産業が、低炭素技術を開発・導入するための資金を調達手段だ。最も注目に値する例として日本を紹介している。

 アジアは、エネルギーの85%を化石燃料から生産し、世界の炭素排出量の半分以上を占めていることから、よりサステナブルなビジネスモデルへの移行に投資することが切実だという。

 こうした中、日本は世界最大のトランジション・ボンド(移行債)の発行国だ。今後10年間で日本政府は約20兆円(133億ドル)のGX経済移行債を発行する計画があり、これにより官民合わせて10年間で150兆円の脱炭素投資につなげる計画だという。

 トランジション・ボンドについて、先進国の動向を見ると、「本質的に扱いにくい資産」とみなす投資家が多く、「成功しているとは言えない」という。

 ただ、2050年までに世界全体でネット・ゼロ目標を達するには、2022年の投資額の4倍以上となる年間約5兆ドルの投資が必要になる。レポートでは「より広範なネット・ゼロの目標をサポートする形で資金が使われていることを発行体と投資家の双方に確信させる、明確で透明性の高い枠組みが確立されることが不可欠だ」と指摘している。

 

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