公募投信残高、初の200兆円台=3カ月連続で過去最高を更新-1月の投信概況
2024年02月15日 09時00分
投資信託協会がまとめた1月末の公募投信残高は、前月比5.8%増の208兆3613億円となり、3カ月連続で過去最高を更新し、初めて200兆円台に乗せた。新しい少額投資非課税制度(NISA)がスタートし、投信市場への資金流入が拡大したほか、国内外で株価が上昇した。
日銀や機関投資家が多く保有する上場投信(ETF)を除いた残高は、前月比4.9%増の111兆5956億円となり、こちらも3カ月連続で過去最高を更新した。
公募株式投信(除くETF)で資金動向を見ると、海外株式型への資金流入が継続したほか、国内・内外株式型や内外資産複合型でも資金流入に転じたことで、1兆3107億円の純資金流入となり、8カ月連続で流入超になった。流入額は07年8月(1兆4659億円)以来の規模になった。
松下浩一会長は、新NISAへの資金流入について「2014年1月にNISAが創設されたときは、1月に大きな資金が入り、その後は流入額が漸減した。今回の場合は、まだNISAを通じて投信等を買付けられていない人がいるようであり、相場環境も良いので、ある程度の水準をキープするのではないか」と指摘した。
また、資金の多くが海外資産に向かっていることについて「NISAには、日本企業と家計をつなぐインベストメント・チェーンを充実させて、日本経済の発展に結び付けるという狙いがある。1月、2月と日本株式のパフォーマンスが好調なので、日本のマーケットが見直される可能性もあると思う」と述べた。