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ヘイフィン、東京事務所を開設=プライベート・クレジットの欧州大手-オルタナティブ投資の拡大見込む

2023年11月16日 09時00分

ティム・フリン最高責任者

 プライベート・クレジットの欧州大手、ヘイフィン・キャピタル・マネジメントが東京事務所を開設した。年金基金など機関投資家のオルタナティブ投資のニーズに応える。記者会見したティム・フリン最高責任者は、岸田文雄首相が推進する「資産運用立国」などの経済政策について「優れたものだ。日本での事業展開がやりやすくなり、魅力的なものになった」と評価した。

 プライベート・クレジットとは、銀行以外による企業向け融資のことだ。株式や債券などの伝統的資産を補うオルタナティブ(代替資産)の一つとして、日本でも企業年金などが投資を始めている。

 欧米では、規制強化により金融機関が企業向け融資を絞り込んでおり、ファンドなどが機関投資家の資金を集め企業に融資するプライベート・クレジットが拡大しているという。

 ヘイフィンの場合、世界中の投資家から幅広く資金を集め、数千億から1兆円程度のファンドを立てる。これを数十社の企業に融資し、分散投資のポートフォリオを作る。運用期間中は、企業から受け取った利息収入をインカムゲインとして投資家に分配する。また、5~8年の運用期間が終了した後は、融資を回収し投資家に元金を戻す。

 融資先は、欧米の中堅企業が中心だ。大企業に比べてリスクは高くなるが、その分、収益を上げることが期待される。また、ヘイフィンは、企業の経営状況をチェックし、助言を行うなどして経営をサポートする。

 ヘイフィン・アドバイザーズ・ジャパンの細萱智大代表取締役は、日本での展開について、「現在、20件弱の日本の機関投資家から千数百億円の資金をお預かりしている。これを数倍にしてきたい」と述べた。一方、日本での企業向け融資については「欧米と違い、金融機関が中堅企業を含めて積極的に融資を実施しており、現時点で予定はない」と述べた。

 

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