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ユニークな総合型DCを設立=IFAが中小企業を開拓-証券ジャパンやキャピタルなど

2023年07月31日 12時00分

 証券ジャパン(本社東京、綿川昌明社長)や米系運用会社のキャピタル・インターナショナル(本社東京、小泉徹也社長)など5社は、中小企業への確定拠出年金(DC)の普及を目指して、総合型DCプランを開設した。各地の独立系アドバイザー(IFA)が導入や運営をサポートすることで、全国の中小企業への普及を目指す。

 プランの名称は「ゆたかな未来 powered by Capital Group」。長期の資産形成に適したシンプルで分かりやすいプランにするため、商品ラインナップをキャピタル社が運用する「キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)」と「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」、中央労働金庫(ろうきん)の定期預金の3本に絞り込んだ。

 また、運用指図をしない従業員の資金を運用するデフォルトファンドを「キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)」にするなど、これまでのDCプランには珍しい、ユニークな設計にした。

 このプランの代表事業主はIFA法人の湘南証券年金プランニングの関連会社であるファイナンシャルプランニンググループ(本社東京、大辻克幸社長)。運営管理機関は証券ジャパンで、プランサポートはキャピタル社が行う。また、記録関連業務はSBIベネフィット・システムズが、資産管理機関はみずほ信託銀行が、それぞれ担当する。

 このプランでは、IFAが中小企業のDC導入や運営をサポートできるように、ファイナンシャルプランニンググループが「DCビジネス立ち上げ指南塾」を開設して、ノウハウを伝授する。またキャピタル社も、米国で培った経験を活用して、従業員向けの投資教育などのコンテンツを提供する。さらに、証券ジャパンは、IFAに対して、中小企業がこのプランを導入した際の報酬や、アフターフォローの業務委託手数料を支払う。

キャピタル社の小泉社長

 キャピタル社の小泉社長は「当社グループは、1931年の創業以来、米国で個人投資家の長期の資産形成をサポートしてきた。米国の培ったノウハウを提供することで、日本の現役世代の勤労者や退職世代の生活を豊かにすることに役立てていきたい」と意気込みを語った。

 小泉社長は「米国では、少額を長期にわたって自動的に積み立てるDCや退職個人勘定(IRA)の普及が個人の資産形成を支えている。そして、こうした制度を中小企業に普及させるために、IFAが大きな役割を果たしてきた」と紹介した。

 その上で、「日本では、中小企業へのDCの普及が十分でない。一人でも多くの日本人が、税制優遇措置を活用しながら、少額の積立投資を自動的に長期にわたって続けることができる社会に変えていかなくてはいけない」と強調した。

 

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