<マーケット見通し>世界の成長率を下方修正=ウクライナ情勢などで-三井住友DS・青木氏ら
2022年03月17日 09時00分
三井住友DSアセットマネジメントは「海外株式市場の見通しと注目点」をテーマに記者勉強会を開催した。
運用部プロダクトスペシャリストの三牧洋介氏は、ウクライナ情勢の影響について、「『ロシアの優位確立による緊張状態の緩和(軍事行動の終息)』または『ロシアの軍事行動の長期化(西側のウクライナ支援の長期化)』をメインシナリオと考えている」と指摘した。
その上で、今年の世界経済の見通しについて「当初は過去平均を上回る安定的な成長を見込んでいたが、0.7~1.0%程度の下方修正を余儀なくされるだろう」とする見方を示した。ロシアに対する経済制裁や原油高、金融環境の悪化が影響する。
景気循環との関連では「中長期的な見方として、世界経済は『景気回復』から『景気拡大』に移っていく局面にあり、米国の利上げがあっても、景気が良くなる中で企業業績が改善し、緩やかに株価が上昇すると見ていたが、足元の状況によりどのようにマーケットが影響を受けるか、が関心事になっている」と述べた。
運用部グローバルグループヘッドの青木英之氏は、今年の米国株式市場の見通しについて、「方向性としてはジリ高を想定しており、前年対比ではあまり上昇しない展開を見込んでいる」と指摘した。その上で「『業績相場』の色彩が強くなる中で、銘柄選択がこれまで以上に重要になるし、市場全体が調整しているときにタイミング良く株への組み入れ(アロケーション)を動かしていかないとなかなか追加的な利益が出ない-、という1年になるのではないか」と話した。
【マーケットの視点】ウクライナ情勢を受けた世界経済・金融市場の見方(更新)
https://www.smd-am.co.jp/market/daily/focus/2022/focus220314gl/