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アセットマネジメントOne、プライベート・インフラ・ファンドを設定へ=富裕層向けに、インフラ投資で世界最大手の米ブルックフィールドと

2026年06月22日 07時00分

(左から石隈氏、青山氏)(左から石隈氏、青山氏)

 アセットマネジメントOneは、世界の非公開のインフラ関連資産(プライベート・インフラ)に投資する外国籍投信を6月30日に設定する。ファンド名は「オーイー・キャナル・アンブレラ・トラスト-One/ブルックフィールド・インフラストラクチャー・インカム・ファンド」。インフラ投資戦略の運用残高で世界最大手のブルックフィールド・アセット・マネジメント(本社・米国)が実質的に運用し、みずほ証券が富裕層向けに販売する。

 アセットマネジメントOne リテール&ウェルス・ソリューション本部グループ営業部長の石隈鉄太郎氏と、ブルックフィールド・アセット・マネジメント マネージング ディレクター プライベート・ウェルス日本代表の青山達郎氏に、プライベート・インフラ・ファンドの仕組みや特徴を聞いた。

◆データや再生可能エネルギーへ拡大

-プライベート・インフラとは

石隈氏 インフラは、私たちの生活に不可欠な社会基盤だ。具体的な例としては、鉄道や港湾などの「運輸」、風力・太陽光といった「再生可能エネルギー&トランジション」、電力・ガス・上下水道などの「公益」、パイプラインや貯蔵施設といった「ミッドストリーム」などがある。さらに新たなインフラとして、人工知能(AI)の拡大により、光ファイバー網やデータセンターなどの「データ」も注目を集めている。プライベートということで、インフラの中でも市場で取引されず、流動性が低いアセットを投資対象としている。

青山氏 例えば、データセンターを作るのであれば、それに伴って発電施設や、送電線が必要になる。インフラの整備は、さまざまに波及し、供給が需要に追い付かない状況が続いている。また、政府や公的な組織だけでは投資を賄いきれず、投資家の資金を集めて投資することが必要になっており、プライベート・インフラ市場は、今後も拡大していくと予想している。

◆安定性と成長性の両立

-プライベート・インフラの特徴は

石隈氏 安定性と成長性の両立だ。インフラは私たちの生活に欠かせないものであり、長期的に安定した需要が見込まれる。空港や鉄道など一部のインフラを除いて、景気動向に左右されにくく、継続的なキャッシュフローが期待される。また、参入障壁が高く、競合が少ないため、価格競争が生じにくく、政府の規制や長期契約で利用料金が保護されている。

青山氏 この戦略では、投資先と結ぶ契約でも工夫している。インフレに対応して料金が上乗せされる「インフレ連動収益」の比率が、全体の75~80%を占めている。サービスの利用量にかかわらず、一定の金額を受け取る「テイクオアペイ契約」や「アベイラビリティ契約」を採用しているものが、全体の約9割を占めており、景気にかかわらず、安定的に収益を得られるようにしている。

◆新たな分散でポートフォリオをより強固に

青山氏 さらにインフラは、株式や債券と値動きが異なることも特徴の一つだ。プライベート資産には、プライベート・エクイティ(株式)やプライベート・デット(債券)があるが、上場株式や公募債券と、リターンの源泉やリスクの所在は根本的には同じだ。一方、インフラはリターンの源泉やリスクの所在が、株式や債券と異なるので、分散投資を行うことで、ポートフォリオをより強固なものにすることが期待される。

石隈氏 株式や債券は、リスクの所在が企業をベースにしている。一方、インフラはリアルアセットをベースとしており、インフラに投資することで、お客さまのポートフォリオのリスクの所在やリターンの源泉が分散される。お客さまごとのニーズに応じたリスク・リターンを実現するために、インフラ投資は、極めて重要なアセットになると考えている。

 ただ、プライベートアセットは、流動性に制約があるため、すぐに解約してお金が必要になるというお客さまには向かない資産だと考えている。一定の資産を保有する富裕層のお客さまに分散投資の対象の一つとしていただけるように、販売会社で一定の基準を設けて、それを満たすお客さまに販売していくことにしている。

◆インフラは祖業、「オーナーオペレーター」「セイム・ボート」

-ブルックフィールドとは

青山氏 ブルックフィールドは、オルタナティブ運用で世界最大規模の運用会社だ。インフラのほか、プライベート・エクイティやプライベート・デット、不動産商品などを幅広く投資家に提供している。運用残高は約1.2兆ドル(約185兆円、2025年12月末)に上る。

 1899年の創業で、インフラを立ち上げ、利用料をいただく事業会社としてスタートした。最初に取り組んだのが、ブラジルのサンパウロ市の路面電車だ。インフラは祖業であり、特に強みを持っている。

 強みの一つ目は、自らの資金でインフラに投資し、管理・運営を行う「オーナーオペレーター」として、125年を超える歴史を持っていることだ。広範なネットワークで優良な案件を早期に発掘し、直接交渉により適正な価格で投資することができる。また、自社の専門チームが投資先案件に深く関わり、資産価値向上を実現している。25年前からは、投資家の「インフラに投資したい」という声に応え、運用商品としてインフラ運用戦略を提供している。

 二つ目は、お客さまのお金と同時に当社の資金を同じインフラに投資することで、運用哲学として、お客さまと同じ船に乗る「セイム・ボート」を実行していることだ。これは、投資に対する当社の強いコミットメントと、自信、責任の表れだ。

 三つ目は、川上の「作る」から、川中の「運ぶ」、川下の「使わせる」まで、一気通貫でインフラの投資運営の実績を持っていることだ。ワンストップで事業パートナーからのさまざまな相談に対応できるため、一つのインフラ資産への投資をきっかけに、競合会社に先んじて優良案件にアクセスできることが多い。

 過去の提携実績を見ると、ドイツテレコム、インテル、マイクロソフト、グーグルなど、のハイパースケーラーと協業したり、フランス政府、スウェーデン政府など国家レベルのAIインフラ事業に参画したりしてきた。安全保障の観点からも高い信用を得ている。

◆「安定稼働の案件」を厳選

-新ファンドの仕組みは

青山氏 ブルックフィールド全体を見ると、これまで説明してきたように、開発案件から運用管理まで投資を行っているが、この戦略は、投資対象のフォーカスを「安定稼働の案件」に置いている。

 この戦略のポートフォリオ(2026年1月末時点)を見ると、北米が約56%。欧州が約24%、アジア太平洋が約14%となっており、主に経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国に投資している。

 組入上位案件を見ると、例えば、港湾サービスであれば、地域は異なるものの川上・川中・川下まで、一気通貫で投資案件をそろえている。また、ブルックフィールドが育て上げた優良案件や、欧州の主要都市圏で安定稼働するハイパースケーラーのデータセンターに投資するなど、ブルックフィールドのインフラ投資を代表する「トロフィー・アセット」を組み込んでいる。

 セクター別に見ると、運輸が約35%、再生可能エネルギー・トランジションが約27%、データセンターが16%など、人々の生活に直結する社会経済に不可欠なインフラに投資している。

 さらに、長期契約や規制により、5年先、10年先、15年先の収入が見えているような、キャッシュフローの確度が相対的に高い案件に投資している。この運用戦略の運用実績を見ると、月間の最低リターンがプラス0.5%で、マイナスになったことはない。

◆購入は月1回、売却は3カ月に1回

-購入・売却の制限は

石隈氏 購入の頻度は、月に1回だ。例えば7月中に申し込むと9月の国内購入約定日に購入できる。一方、売却の頻度は、3カ月に1回で、例えば8月3日から同20日までに申し込むと、11月の国内換金約定日に約定して、その日から起算して4国内営業日後に代金を受け取ることができる。

 購入単位は1000口以上1口単位で、米ドル建てで購入する。最低投資金額は10万米ドルなので、日本円に換算すると、1600万円程度になる。売却については1口から可能だ。

 このほか、投資先ファンドにおいて、換金が発行済み投資証券の5%を超えた場合は、このファンドの解約を制限する可能性がある。

 こうした制限があるので、販売に当たっては、流動性リスク等をしっかり理解したお客さまに、丁寧な説明を行い、十分に理解していただいた上で販売するよう、販売会社と連携していく方針だ。

青山氏 上場株式や債券と異なり、プライベートアセットは市場ですぐに売却することができない。また、無理に売却するとパフォーマンスに悪い影響が出てしまうので、ファンドに残る投資家の保護という観点も含めて、こうした制限条項を設けている。ただ、この戦略においては、資金流入が続いており、こうした事態は発生していない。

-リスク・リターン特性は

石隈氏 この戦略はドル建てで運用しており、ドル建てで評価することから、為替の影響を受けない。債券と異なり、クレジットやデュレーションの影響も受けないことから、2023年2月末から2026年1月末のパフォーマンスを見ると、年率でのリスクが約0.3%でリターンが7%台後半、シャープレシオが8台というユニークなパフォーマンスを示している。

-アセットマネジメントOneのオルタナティブ投資の取り組みは

石隈氏 アセットマネジメントOneは2010年に、「アセットマネジメントOneオルタナティブ」を設立し、ゲートキーパーとして、主に年金基金など機関投資家に向けて、世界のヘッジファンドやプライベートアセットなどを評価し、提供してきた。また、オルタナティブに詳しい専門人材の育成や採用を進めてきた。今後は、みずほグループと連携し、富裕層向けのオルタナティブ商品の提供にも力を入れていく方針だ。

 

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