〔AIによるニュース解析〕バイデン政権発足で環境規制強化か、日本企業への影響は?
2020年12月23日 12時34分
国内産業界、米の環境規制を注視=温暖化対策、強化の可能性
米大統領選でバイデン氏の勝利が確実となり、米国が温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰する見通しとなった。今後、米の環境規制が強化される …
米国のバイデン次期大統領の政策について、日本の産業界の見方を伝える時事通信のニュース。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」への復帰を宣言するなど環境問題はバイデン政権の重要課題だ。産業界は米国の環境規制がどのような形で強化されるかを非常に注目している。
この記事をAI(人工知能)で解析し、日本企業への影響を予測すると、太陽光や風力、バイオマス発電など再生可能エネルギー事業を手掛ける企業の増収・増益要因となる一方、ガソリン車や石炭・天然ガス需要の減少につながり、火力発電に関連する設備メーカーにとっても逆風になるとの想定を示した。
こうした予測だけならAIを使わなくてもできそうだが、なるほどと感じる指摘もあった。一例を挙げると「環境規制強化→牛肉生産減少」のシナリオ。牛の餌となる飼料の栽培では農機具の利用や化学肥料の生産で大量の温室効果ガスを排出するほか、牛の「げっぷ」に含まれるメタンも環境への影響が大きいと言われる。
英国の大学には温室効果ガス削減のため、構内で牛肉を使った食べ物の提供を禁止するところもある。AIはこうした情報を基に、牛肉生産減少を指摘した可能性がある。企業への影響は、生産減少で牛肉価格が上昇するとの類推から、焼き肉、牛丼など外食産業の減益要因になるとの分析結果を示した。
このほか、森林資源保護のためにペーパーレス化が進みオフィス複合機などの需要が減少する、電気を大量に使って生産するアルミニウムの供給が減少し価格が上昇する―といった影響も指摘した。環境規制が強化されると広範囲に影響が及ぶため、産業界もその行方に強い関心を示している。
分析に利用したAIは、フィンテックベンチャーのゼノデータ・ラボが開発した業績予測サービス「ゼノブレイン」。過去の膨大なニュースや企業の決算情報を基に、社会・経済現象が企業業績に与える影響度を数値化している。(了)
米大統領選
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