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〔AIによるニュース解析〕DX推進、IT企業には追い風だが痛手になるところも

2021年04月20日 13時21分

分析記事

ウッド氏のファンド・アークがコインベース株購入=上場初日、テスラ株一部売却

【ロンドン・ロイター時事】キャシー・ウッド氏が率いるアーク・インベストメント・マネジメントのファンドが、米暗号資産(仮想通貨)交換所最大手の …

デジタル改革関連5法案が参院本会議で審議入りし、答弁する平井卓也デジタル改革担当相=14日、国会内 デジタル改革関連5法案が参院本会議で審議入りし、答弁する平井卓也デジタル改革担当相=14日、国会内

 行政デジタル化の司令塔となる「デジタル庁」設置を盛り込んだデジタル改革関連5法案が衆院を通過し、参院での審議が始まったことを伝える時事通信の記事。海外に比べて遅れていると指摘される日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けた体制が間もなく始動する。

 「DX推進」は産業界にどのような影響を及ぼすのか。AI(人工知能)の分析によると、業績に影響を受ける可能性がある国内上場企業は1700社余り。このうち、増収・増益要因になると予測された企業は約75%の1309社だったのに対し、DXがむしろ業績下押し要因になると指摘された企業も442社に上った。

 デジタル化を進めるには、コンピューターやOA機器、サーバー、クラウド、IoT(モノのインターネット)機器などさまざまなハードウエアが必要になる。さらに業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、既存システム見直しのためITコンサルティングサービスの利用も進みそうだ。AIはプラスの影響が及ぶと想定する企業として、こうした業界を指摘した。また、「スマート農業」も盛んになるとのシナリオから、ドローンや農業機械の需要増につながるとの予測もあった。

 一方、DXが業績のマイナス要因として作用するケースとして、AIはペーパーレス化の影響などを指摘した。文書のデジタル化で印刷機器やインク、用紙の需要が減少すると予測。また、DX推進でテレワークがさらに普及するとのシナリオから、スーツや化粧品、革靴の売り上げなども減るとの想定を示した。自動化や省力化で従業員の深夜残業が減るため、栄養ドリンクやタクシーの利用減少が見込まれるという分析も提示した。こうした「アナログ」に関連する企業や旧来の働き方に関連する企業にとって、DXは逆風になるといえそうだ。

 分析に利用したAIは、フィンテックベンチャーのゼノデータ・ラボが開発した業績予測サービス「ゼノブレイン」。過去の膨大なニュースや企業の決算情報を基に、社会・経済現象が企業業績に与える影響度を数値化している。(了)

 

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