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公募株式投信(除くETF)、6.0%増の140兆円=4カ月連続ぶりに増加-5月の投信概況

2025年06月13日 08時30分

 
(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 投資信託協会がまとめた2025年5月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比6.0%増の140兆9617億円となり、4カ月ぶりに増加した。

 一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比4.6%増の245兆5878億円となり、こちらも4カ月ぶりに増加した。

 月間の新規設定ファンドは17本、償還本数は18本だった。この結果、運用中のファンド本数は前月末比1本減少して、5766本になった。

◆公募株式投信(除くETF)、24カ月連続で資金流入超

 公募株式投信(除くETF)の資金動向は、9496億円の純資金流入と24カ月連続で流入超となった。少額投資非課税制度(NISA)を通じて、個人投資家の資金流入が継続している。

 運用増減額はプラス7兆2698億円と、4カ月ぶりに増加に転じた。2023年11月の6兆4985億円を上回り、過去最高額を更新した。5月末は、日経平均株価が前月末比5.3%、NYダウも同3.9%、それぞれ上昇した。また、円相場は1ドル=143円87銭と、前月末(同142円57銭)より円安に振れた。

 一方、ETFを含む公募証券投信は、5732億円の純資金流出となり、18カ月ぶりに流出に転じた。ETFの資金減少が主な要因。運用増加額は11兆6059億円と過去最高だった。

(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)
(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)


◆「設定」「解約・償還」、過去1年の平均を下回る

 公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は2兆9211億円だった。過去1年間の平均(3兆6272億円)を下回った。

 一方、「解約・償還」は1兆9715億円で、こちらも過去1年の平均(2兆2592億円)を下回った。

◆主な商品分類、いずれも流入超過に

 ただ、商品分類別に資金増減額を見ると、「海外株式型」「内外資産複合型」は、4月を上回る流入超になった。「内外株式型」も流入が継続した。こうした中、「国内株式型」は、5カ月ぶりに流出超に転じた。日経平均株価に連動するインデックス型やレバレッジ型(ブル)から資金流出が見られた。

◆関税交渉の行方を見極め

(松下浩一投資信託協会会長)(松下浩一投資信託協会会長)
(出所)投信協会「投資信託の主要統計(2025年5月)(出所)投信協会「投資信託の主要統計(2025年5月)(クリックで表示)

 松下浩一投資信託協会会長は、株式市場の状況について「トランプ米大統領の関税政策の発表を受けて4月上旬に大きく下落したものの、90日間の延期が伝えられたことで、買い戻しが進んだ。7月には延期の期限を迎え、各国との交渉でさまざまな材料が出てくることが予想されるので、それを見極めたいという投資家のマインドがあるのではないか」と指定した。

 また、既存ファンドの整理・統合について「運用各社は現在もさまざまな取り組みを進めている。時間がかかるので、半年、1年後にはさらに成果が出るのでないか」と述べた。

 

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