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「日経半導体株指数」で、インデックスファンドとETFを設定へ=三菱UFJアセット

2024年07月04日 11時30分

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 三菱UFJアセットマネジメントは、日本の半導体関連株の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドと上場投資信託(ETF)を設定する。同一指数を使って、特徴が異なる二本のファンドを設定することで、投資家それぞれの運用目的に合った商品を選んでもらう狙いだ。

 この指数は「日経半導体株指数」で、7月12日にインデックスファンドの「eMAXIS 日経半導体株インデックス」の運用を開始する。また、7月19日にETFの「MAXIS 日経半導体株上場投信」を東証に上場する

◆日本の成長株のインデックス型ファンドを拡充

 ファンド設定の背景について、投信営業第三部 ネット営業グループの田賀徹夫グループマネジャーは「半導体関連ファンドの資金フローを見ると、昨年末以降、継続して資金が流入しているが、地域別ではグローバル、種別ではアクティブが選ばれている。まだ購入されていない国内のインデックスに投資余地があると考えた」と分析した。

 さらに、「日本株の資金フローは昨年まで、下落局面で買い・上昇局面で売る『逆張り』の傾向が見られたが、新NISA(少額投資非課税制度)がスタートし、日本株の中長期の成長期待が高まったことで、『順張り』の兆しも見えてきた」と指摘、「日本の成長株領域のインデックス型ファンドを拡充した」(田賀氏)と述べた。

◆多様な投資家のニーズを満たす

 同一指数で2ファンドを設定する狙いについて、法人投資家営業部 ETF事業グループの佐藤尚慶グループマネジャーは「半導体は、中長期的に大きな成長が期待できる一方で、短期的には大きな値動きが予想されるテーマなので、インデックスファンドとETFの両方を投資家に提供することで、個々の投資家が持つ多様な取引ニーズを幅広く満たすことを考えた」と説明した。

具体的に見ると、インデックスファンドは、非上場で、1日1回、基準価額で約定できる。少額から売買でき、積立投資がやりやすい。また、分配金再投資コースも設定されていて便利だ。分りやすさを重視する人や、手間をかけずに資産形成したい投資家に向いている。

 一方、ETFは、取引所が開いている時間帯であれば、1日に何度でも市場価格で取引ができる。また、東証なら2営業日後に売却代金を受け取ることができる。ただし、分配金は受け取りしか出来ないので、自分で再投資することが必要だ。投資に慣れた人や、途中売却も視野に入れて自分の狙った価格で機動的に売買したい投資家に向いている。

(出所)三菱UFJアセットマネジメントの資料を基に時事通信社で作成(出所)三菱UFJアセットマネジメントの資料を基に時事通信社で作成(クリックで表示)


 これら2ファンドは、どちらも新NISAの成長投資枠ファンドになる。佐藤氏は、「半導体関連銘柄は値がさ株が多く、最低単元を購入しようとしても、成長投資枠の年間上限(240万円)では足りない銘柄もある。このため、新NISAを利用して半導体関連株に投資する際に、この2ファンドが役立つだろう」と指摘した。

◆半導体、AIやIotで収益拡大も

 「日経半導体株指数」とは、東証に上場する半導体関連銘柄から構成される時価総額ウエート方式の指数で、時価総額の大きい30銘形で構成し、日本の半導体関連株の値動きを表す。今年3月25日に算出を開始した。過去のパフォーマンスを試算したところ、東証株価指数(TOPIX)と比較して、相対的にリスクが高く、その分リターンも高い結果になった。

半導体は、パソコンや電化製品、自動車などに欠かせない電子部品で、日本企業はその製造装置や材料に強みを持っている。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの技術革新が進む中で、日本を含む世界の半導体市場は今後も収益拡大が予想されるという。

 

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