ルールベースのアクティブETFが初上場=日興アセットが新シリーズ「上場 Tracers」を設定
2023年10月05日 13時30分
日興アセットマネジメントは5日、「上場 Tracers 米国債0-2年ラダー(為替ヘッジなし)」を東証に上場した。事前に定めたルールに沿って運用するルールベースのアクティブETF(上場投信)の上場は初めて。
ステファニー・ドゥルーズ社長は、新ファンドについて「償還までの期間の短い米国国債をルールに沿って組み込むことで、コストを抑え、魅力的なリスク・リターンが期待される商品になった」と紹介した。このファンドは、1月にスタートする新しい少額投資非課税制度(NISA)の成長投資枠の対象ETFだ。
同社はこれまで、指数に連動するパッシブETF「上場インデックスファンド」シリーズを運用してきた。これに加えて、連動指数が存在せず、ルールベースで運用(トレース)するアクティブETF「上場 Tracers(トレイサーズ)」シリーズを誕生させた。
このファンドは、残存期間が2年以下の米国国債を投資対象とする。債券を「6カ月以下」「6カ月超12カ月以下」など四つのグループに分け、各グループへ概ね均等額となるように分散投資する「ラダー型運用」を行う。
米国国債は、先進国の中でも相対的に高い信用力を有すると考えられている。また、投資対象とする債券は、満期償還までの期間が2年以下と短い。このため、このファンドは、信用リスクと価格変動リスクが相対的に小さいことが特徴だ。
ただ、「為替ヘッジなし」なので、為替が円安に振れるとパフォーマンスにプラス要因となり、円高に振れるとマイナスの影響を受けることに、十分な理解が必要だ。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月の公開市場委員会(FOMC)で政策金利を5.25~5.50%と22年ぶりの高水準に引き上げた。このため、このファンドの組み入れ債券の最終利回り水準も上昇している。