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日本で第1回目のファンド賞=新体制の下、グローバルな基準で-米モーニングスター

2023年10月02日 08時00分

(米モーニングスターのクナル・カプアCEO)(米モーニングスターのクナル・カプアCEO)

 米国の独立系投資調査会社モーニングスターは、新体制の下で第1回目のファンド賞「モーニングスター・ファンド・アワード」を実施した。グローバルな投信格付け「モーニングスター・メダリスト・レーティング」を使って、国内株式や債券、REIT(不動産投信)など5部門で15本の優秀ファンドを選定した。

 来日した米モーニングスターのクナル・カプアCEOは、レセプションであいさつし、「日本におけるモーニングスターの新時代の幕開けだ。この重要な市場におけるモーニングスターブランドを、当社のグローバルなアイデンティティと整合させる」と強調。「投資家がそれぞれの目標に最適なポートフォリオを構築するために必要なツールやレーティングなどを提供していく」と述べた。

◆新会社「モーニングスター・ジャパン」の設立準備

(左から、イボットソン・アソシエイツ・ジャパン代表取締役社長のチャン・ユーツン氏。イボットソン・アソシエイツ・ジャパン取締役会長の山口勝業氏。米モーニングスターCEOのクナル・カプア氏。イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIOの小松原宰明氏。米モーニングスター・リサーチ部門ヨーロッパ・アジアパシフィック地域統括のウイング・チャン氏。イボットソン・アソシエイツ・ジャパン・マネージャーリサーチ部長の元利大輔氏。米モーニングスター・インターナショナル・マーケテイング統括のニコラ・ハーレイ氏。)(左から、イボットソン・アソシエイツ・ジャパン代表取締役社長のチャン・ユーツン氏。イボットソン・アソシエイツ・ジャパン取締役会長の山口勝業氏。米モーニングスターCEOのクナル・カプア氏。イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIOの小松原宰明氏。米モーニングスター・リサーチ部門ヨーロッパ・アジアパシフィック地域統括のウイング・チャン氏。イボットソン・アソシエイツ・ジャパン・マネージャーリサーチ部長の元利大輔氏。米モーニングスター・インターナショナル・マーケテイング統括のニコラ・ハーレイ氏。)

 米モーニングスターはこれまで、SBIホールディングスとの共同出資会社で日本事業を展開していたが、今年1月この会社へのライセンス契約を終了した。

 米モーニングスターの100%子会社イボットソン・アソシエイツ・ジャパン(本社東京)のチャン・ユーツン社長は、レセプションで「年明けに向けて新会社『モーニングスター・ジャパン』の設立準備を進めている」と話し、新体制のメンバーを紹介した。

 
(米モーニングスターのウイング・チャン氏)(米モーニングスターのウイング・チャン氏)



◆日本はテーマ型に人気、欧米は配分重視-モーニングスター調査

 ファンド賞の授賞式で、米モーニングスター・リサーチ部門ヨーロッパ・アジアパシフィック地域統括のウイング・チャン氏が講演し、世界の投資家のポートフォリオの状況を比較して、「日本はキャッシュを厚く持ち、保守的な姿勢だ。そして、テーマ型ファンドの人気が高い。一方、米欧は資産配分をより重視していた」と分析した。

◆金、銀、銅など5段階-メダリスト・レーティング

 その上で、「投資家の適切なファンド選択を手伝うために投信格付けの『モーニングスター・メダリスト・レーティング』を提供している」と話し、その内容を説明した。対象ファンドは16万本以上(このうち日本は4300本以上)で、「運用担当者」「運用プロセス」「運用会社」の三つの観点でファンドを分析し、金、銀、銅、ニュートラル、ネガティブの5段階で評価している。「将来的にきちんと利益をもたらすと考えられるファンドは、金から銅を付与している。まだ難しいというファンドは、ニュートラル以下にしている」という。

◆投資家目線でスポットライト

(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンのチャン・ユーツン氏)(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンのチャン・ユーツン氏)


授賞式でチャン・ユーツン社長は、今回のアワードについて「日本において、グローバルな基準で提供するのは、初めてであり、今回を1回目と捉えている」と述べた。その上でアワードの考え方ついて「投資家目線に重きを置き、投資家から見て買いたいファンド、検討すべきファンドが、選考することを目指している。たくさんのファンドの中で埋もれて、投資家が気づかなかったファンドにスポットライトを当てていきたい」と抱負を語った。

◆資産配分のコアとなるファンド

(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの元利大輔氏)(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの元利大輔氏)

 また、元利大輔マネージャーリサーチ部長は、選定基準について「過去の相対的なリスク調整後リターンが優れていることに加えて、今後も相対的に良好なリターンを継続できるであろうと考えられるファンドを選んだ」と説明。「個人投資家が資産配分をするときにコアとなりうるファンドから優れたものを選定した」と述べた。

◆優秀ファンドは以下の15本(★は最優秀、ファンド名<運用会社>)

▽日本株式 
★コモンズ30ファンド<コモンズ投信>
 JPMジャパンマイスター<JPモルガン・アセットマネジメント>
 三菱UFJ日本株オープン「35」<三菱UFJアセットマネジメント>

▽世界株式
★たわらノーロード先進国株式<アセットマネジメントOne>
 iシェアーズS&P500米国株ETF<ブラックロック・ジャパン>
 野村米国ブランド株投資(円コース)年2回決算型<野村アセットマネジメント>

▽アロケーション
★三井住友・DC年金バランス70(株式重点型)<三井住友DSアセットマネジメント>
 世界経済インデックスファンド(株式シフト型)<三井住友トラスト・アセットマネジメント>
 フィデリティ・バランス・ファンド<フィデリティ投信>

▽債券
★エス・ビー・日本債券ファンド 愛称:ベガ<三井住友DSアセットマネジメント>
 ブラックロックiインカム<ブラックロック・ジャパン>
 NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信<野村アセットマネジメント>

▽REIT
★フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド<フィデリティ投信>
 野村世界不動産投信<野村アセットマネジメント>
 フィデリティ・USリート・ファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし)<フィデリティ投信>

(第1回モーニングスター・ファンド・アワードで受賞各社の集合写真)(第1回モーニングスター・ファンド・アワードで受賞各社の集合写真)
 

 

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