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公募投信(除くETF)、初めて100兆円を突破=6カ月連続で過去最高-7月の投信概況

2023年08月15日 08時00分

 

 投資信託協会がまとめた7月末の公募投信残高は、前月比0.5%増の188兆3914億円となり、6カ月連続で過去最高だった。また、日銀や機関投資家が多く保有する上場投信(ETF)を除いた残高は、前月比1.3%増の100兆1843億円となり、こちらも6カ月連続で過去最高を更新し、初めて100兆円を突破した。

(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 7月も国内外の株式に投資するファンドやバランスファンドが人気で、資金動向は8484億円の純資金流入と、過去1年間の平均(5644億円)を上回り、2カ月連続で流入超過となった。

 公募投信(除くETF)は、2004年末に24.3兆円だったが、約20年間で約4倍の100.2兆円に達した。2005年以降の資金動向を分析すると、資金増減額累計が95.6兆円と、運用増減額累計(46.7兆円)を上回った。収益分配額累計は66.3兆円だった。投信協会では「着実な資金流入が純資産総額増加の主要因であると言える」と分析している。

 松下浩一会長は、投信市場に資金流入が続いていることについて「岸田政権が推進する資産所得倍増計画や、来年1月にスタートする新しい少額投資非課税制度(NISA)に触発されて、個人投資家の裾野が広がっている。投資に対する意識が、国民全体に少しずつ浸透していると感じている」と評価した。

 また、ETFを除く公募投信の残高が100兆円を超えたことについては「米国のミューチャアル・ファンド(投信)は、おそらく100倍以上になっているだろう。日本にはまだまだ伸びる余地がある」(松下会長)と期待を表明した。

 投資協会の取りまとめによると、新しいNISAの「成長投資枠」で投資できるファンドは、8月1日時点で1719本になった。このうち「つみたて投資枠」でも投資できるファンドが210本を占めている。来年1月に向けて、運用各社は追加申請を予定している。

松下会長


 松下会長は、「『成長投資枠』のファンド数は、『つみたて投資枠』を含めて2000本前後になるのではないか」と話した。

【投信協会】ホームページ
https://www.toushin.or.jp/index.html

 

 

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