AMWF、参加企業が15社に拡大=資産運用業界の女性活躍を推進
2023年08月08日 11時00分
資産運用業界の女性活躍を推進するネットワーク「Asset Management Women’s Forum(AMWF)」は、新たに11社が参画を表明し、15社に拡大したと発表した。このフォーラムは2022年春に、「女性社員の活躍は資産運用業界全体の持続的な成長に欠かせない」として、大和アセットマネジメント、野村アセットマネジメント、フィデリティ投信、三菱UFJ国際投信の4社によって設立された。
AMWFチェアの中村麻里氏(野村アセットマネジメント アドバイザリー運用部長)は、「性別に捉われず前向きにキャリアを築くためのインスピレーションを得る場になるよう、各社と共にリードしていく。多様性に富んだ資産運用業界が、投資家に新しい価値を提供できるよう活動していく」とコメントした。
前年度の活動を振り返ると、昨年8月に「女性が働く上で直面する壁の乗り越え方」をテーマにフォーラムを開催した。また今年2月に開催したイベントでは、①女性従業員②管理職③経営陣や人事担当者-の三つのセクションに分かれて、ジェンダーダイバーシティについて多様な角度から意見交換した。
AMWFバイスチェアの野々垣智夏氏(フィデリティ投信 クライアントサポート副本部長兼サステナビリティビジネス推進部長)は、今後の活動について「今年度についても三つのセクションに分かれてワーキンググループを組成する方針だ。それぞれのエリアに働きかけることで、具体的なアクションが生まれ、業界全体で女性活躍の大きな輪が広がることを期待したい」と話している。
金融庁は昨年公表した「資産運用業高度化プログレスレポート2022」で、「コーポレートガバナンス(企業統治)・コードにおいて、女性活躍推進など多様性の確保が掲げられていることも踏まえ、実効性のあるエンゲージメント(企業との対話)に繋げるためにも、各社自身が、業務実績を踏まえつつダイバーシティ(多様性)の確保に向けた取組みを更に推進していくことが必要である」と指摘している。
また、今年まとめた「同2023」では「世界の大手資産運用会社30社の経営トップには、女性が一定割合いるが、わが国の大手資産運用会社は、女性の割合が少ない等、経営トップの多様化が遅れており、イノベーション(技術革新)の創出が期待しにくい状況にある」と分析している