投信残高、前月比６．５％増の１８７兆円＝５カ月連続で過去最高－６月の投信概況

2023年07月14日 08時00分

　投資信託協会がまとめた６月末の公募投信残高は、前月比６．５％増の１８７兆４５５０億円となり、５カ月連続で過去最高を更新した。国内外の株価上昇や順調な資金流入により、前月比で１１兆４８４７億円増加しており、過去最大の増加額となった。

　日銀や機関投資家が多く保有する上場投資信託（ＥＴＦ）を除いた残高は、前月比５．８％増の９８兆９２５９億円となり、こちらも５カ月連続で過去最高だった。資金増減額はプラス４８５１億円で、２カ月ぶりに純資金流入に転じた。また、運用増加額は５兆１３８４億円となり、過去最大だった。

　松下浩一会長は、就任の抱負について「ＮＩＳＡ（少額投資非課税制度）について、国民全体の意識が高まっているが、まだ『ＮＩＳＡって何？』と思う若者もたくさんいる。こうした人の意識を高めていくことが、われわれの使命だ」と話した。

　また、「日本は国を挙げて『貯蓄から投資へ』を推進しているが、『そもそも投資がなぜ重要なのか』が十分に理解されていないと思う。投資よってリスクマネーを企業に投じることで企業が活性化され、日本経済の活性化につながるという道筋をしっかり伝えていきたい」と述べた。

◆企業型ＤＣファンド、初めて１０兆円を突破

（出所）投資信託協会（クリックで表示）

　企業型確定拠出年金（ＤＣ）専用ファンドの純資産総額は１０兆６１６６億円となり、５カ月連続で過去最高を更新し、初めて１０兆円を超過した。

◆つみたてＮＩＳＡ、年間買付額が１兆円を超える

　「つみたてＮＩＳＡ」口座の２２年の買付額は１兆２７３８億円となり、初めて１兆円を超えた。２１年は８４２６億円だった。

【投信協会】ホームページ
https://www.toushin.or.jp/index.html

（出所）投資信託協会「投資信託の主要統計　2023年6月」（クリックで表示）