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「eMAXIS Slim」シリーズ、残高4兆円を突破=パフォーマンスの向上めざす-三菱UFJ国際投信

2023年04月17日 10時00分

(出所)三菱UFJ国際投信(出所)三菱UFJ国際投信(クリックで表示)

 三菱UFJ国際投信が運用する、業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるインデックスファンド「eMAXIS Slim」シリーズの純資産総額が4兆円を突破した。4月14日時点では、シリーズ全体で4兆1117億円に達している。

 同社は、インデックスファンドの運用で重要なことについて「対象指数への連動性を高め、トータルリターンの向上を目指すことだ」と説明。「最良執行による取引コストの削減や、有価証券の貸付(レンディング)の実施による収益獲得等といった取り組みも継続的に行い、パフォーマンスの向上に努めていきたい」とコメントした。

 個別ファンドを見ると、一番規模の大きい「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産総額は、同日時点で1兆9393億円と2兆円が目前だ。2番目に大きい「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、1兆0017億円と1兆円の大台を超えた。

 「eMAXIS Slim」シリーズの信託報酬率のもう一つの特徴は、一定の純資産総額を超過した部分により低い信託報酬率を適用する「受益者還元型信託報酬率」を採用している点だ。ファンドの規模拡大によるメリットを、投資家に還元している。

 具体的にみると「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬率は、目論見書に「年率0.0968%(税込み)以内」と記載されているが、実際の信託報酬率は「受益者還元型信託報酬率」が適用されるため、4月14日の純資産総額を当てはめると約0.0957%(税込み)となる。同様に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬率は「年率0.1144%(税込み)以内」と記載されているが、「受益者還元型信託報酬率」を勘案した実際の信託報酬は約0.1133%(税込み)だ。

 既に、4月25日から「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬率を「年率0.09372%(税込み)以内」に引き下げることを発表している。また、5月11日からはさらにシリーズ内の8ファンドの信託報酬率を引き下げることを公表しており、そのうち「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬率は「年率0.1133%(税込み)以内」とする

 同社は、「eMAXIS Slim」シリーズの基本理念について「『業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける』というコンセプトのもと、公正な比較対象となる他社類似ファンドの信託報酬率が、当社ファンドの信託報酬率を下回る場合、ファンドの継続性に配慮した範囲で信託報酬率を引き下げることを基本としている」とあらためて説明した。

 業界各社のファンドの信託報酬率を見ると、「『eMAXIS Slim』シリーズは、『ファンドの計理業務』『目論見書・運用報告書の作成に係る費用』『対象指数の商標使用料』等を含めているが、こうした費用を信託報酬とは別に、ファンドに請求しているものもあるなど、運用会社によって開示が異なる」という。

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 三菱UFJ国際投信は「長期投資において運用コストは、ファンド選定の重要な判断材料になるので、目論見書と運用報告書において『ファンドの総経費率』の開示を進めることで、ファンドで負担したコストについて投資家の皆さまによりご理解いただけるように取り組んでいく」と話している。

 

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