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〔マーケット見通し〕日本経済、構造転換に進む可能性も-日興アセット・神山氏

2023年01月30日 08時00分

日興アセット・神山氏

 日興アセットマネジメントは、四半期ごとにまとめる経済見通し「グローバル・フォーサイト」の2023年新春号を発表した。神山直樹チーフ・ストラテジストは、2023年の米国経済について「大きな景気後退に陥ることなく、雇用や消費は横ばいか、多少のマイナスにとどまるだろう」と予想した。そうした中で、日本経済は「堅調な外需と内需の急回復により、設備投資や賃金上昇の圧力が継続し、物価と経済成長率が安定して上昇する構造に転換する可能性がある」と指摘した。

■米国経済

 2023年の米国経済の成長率はゼロ成長をやや上回る程度になると予想している。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの効果で、雇用者数の伸びが緩やかに減速し、小売売上高も減少することで、過熱気味の経済はソフトランディングすると見ている。こうした中、米国の輸入額は、ほぼ横ばいで推移し、世界経済を支えるだろう。

■日本経済

 日本経済は、輸出が高い水準のまま推移し、コロナ禍からの経済再開によって内需が急回復することで、人と設備の不足が継続するだろう。投資を増やそうとする動きが強まれば、デフレ経済の脱却に向けた構造転換につながると見ている。「資源価格の上昇によるインフレ」から「賃金の上昇が支えるインフレ」に変化することで、安定して2%を超える物価上昇が、今年から来年にかけて続く可能性がある。

■米国の金融政策

 FRBは、2月と3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を引き上げた後、その効果を確認するため、利上げを打ち止めにするだろう。「インフレ再燃リスク」を警戒する状況になるが、賃金や物価の落ち着きが確認されれば、FRBは9~12月にかけて利下げに転じると予想している。

■主要指標

 2023年末の円相場は、年後半に米国が利下げに転じることで、1ドル=122円程度に上昇するだろう。年末のニューヨーク・ダウ工業株30種平均は3万6000ドル、日経平均株価は2万9000円を予想している。


【日興アセットマネジメント】神山View
https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view

 

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