〔マーケット見通し〕来年1-3月に米インフレに歯止め-日興アセット・神山氏
2022年10月20日 09時00分
日興アセットマネジメントは、四半期ごとにまとめる経済見通し「グローバル・フォーサイト」の2022年秋号を発表した。神山直樹チーフ・ストラテジストは、米国経済の見通しについて「来年1-3月にはインフレが収まり、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに転じるだろう」とする見通しを示した。円相場は、行き過ぎたドル高が調整され、来年6月には1ドル=135円程度に上昇するだろう予想。また、6月末の日経平均株価は、コロナ禍からの回復で、3万0500円に上昇すると指摘した。
■米国経済
米国のインフレは、行き過ぎた供給不足や需要超過が調整されれば、構造的に賃金が上昇する動きが見られないことから、収まるだろう。米国のFFレートの誘導目標は来年3月末の4.75%をピークに低下すると予想している。その後は、1~2年かけて、緩やかに中立水準の2.5%程度に引き下げられていくだろう。
雇用者数は、利上げの効果で、過熱状態から適性水準に減少するだろう。また、米国のGDPは今年1-6月にマイナス成長になったが、10-12月と来年1-3月もゼロ%程度にとどまると予想している。これについて「米国経済は景気後退局面に入った」と言われるかもしれないが、あくまでも行き過ぎの調整であり、正常化のプロセスにとどまるため、リーマン・ショック時とはイメージが異なる。米国経済は、大幅に悪化することなく、ソフトランディングするシナリオを描いている。
■日本経済
日本の輸出は、為替の影響を除いた数量ベースで、リーマン・ショック前のピークを越えた水準で横ばいになりそうだ。これがきっかけとなり、企業は設備投資を増やしたり、雇用を拡大したりする可能性がある。さらに、国内では、コロナ禍からの正常化で、観光や運輸などの需要が伸びるだろう。日経平均株価は大きく調整することなく、3月末に3万円程度に上昇するだろう。
一方、NYダウは、年末には2万6000ドル程度まで下落する局面があるものの、来年6月末には3万ドルを回復すると予想している。
【日興アセットマネジメント】神山View
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