ウェルスナビ、営業黒字に転換=柴山社長「持続可能な体制に大きな一歩」-22年12月期中間決算
2022年08月16日 11時00分
ロボットアドバイザー最大手のウェルスナビは、2022年12月期中間決算を発表した。それによると営業収益は、預かり資産の増加により前年同期比58.2%増の30億9200万円に拡大した。その結果、積極的な広告宣伝を行う中でも、営業損益が3000万円の黒字に転換した。通期でも黒字を見込む。
柴山和久社長は決算説明会で、黒字化の意義について「当社のお客さまの6割以上が10年以上の長期の利用を考えており、お客さまの資産形成をサポートする上で、事業の安定的な発展と持続可能性は非常に重要だ」と指摘、「広告宣伝費を含めて黒字化を達成できたことは、お客さまに安心してサービスを利用していただく上で、大きな一歩を踏み出すことができた」と評価した。
今後については「『誰もが安心して利用できる社会インフラとしての資産運用サービス』を作ることを経営の大きな柱の一つにしているため、預かり資産および営業収益の成長を重視しており、引き続き、人員採用や広告宣伝などへの成長投資を積極的に行う方針に変更はない」と強調、「こうした投資を実施しつつ、自然体で黒字化を目指していく」と述べた。
同社は16年7月に資産運用サービス「WealthNavi」を正式リリースした。人員採用や広告宣伝など投資が先行したことから、前期までは営業損益が赤字だったが、預かり資産の拡大等により、サービスの本格開始から約6年で黒字化を達成した。
同社の6月末の預かり資産額は、前年同期比39.2%増の6754億円に拡大した。また、運用者数は同19.0%増の34万3000人に増加した。変動の大きな相場環境が続いているため、運用者数の増加ペースはやや鈍化が見られるものの、「長期・積立・分散」を行う働く世代からの資金流入により、着実に事業を伸ばしている。