ESG投資と安定運用の融合目指す=マルチアセット「モンド」を設定-ピクテ投信
2021年10月25日 09時00分
ピクテ投信投資顧問は、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮しつつ、さまざまな資産や戦略に機動的に分散投資する「ピクテ・サステナビリティ・マルチアセット・ファンド(愛称:モンド)」の運用を開始した。同社が提供するマルチアセット運用のファンドは5種類目になる。
多様なアセットに分散するマルチアセット戦略により、下落リスクを低減し、中長期的に安定した運用を目指す。さらに、ESGを考慮して銘柄を選定することで、サステナブル(持続可能)な社会の実現に向けた世界の潮流をとらえ、長期的にリターンの上乗せを狙う。
-設定の狙いは。
プロダクトマネジメント部 商品開発チーム・ヘッドの吉川龍雲氏 「モンド」は、中長期的に安定したリターンの獲得を目指すマルチアセット戦略と、ESG投資を融合させたファンドだ。投資家の皆さまに長期保有していただくことで、日本にESG投資をしっかりと根付かせたい。
日本のESG投資は、株式型のファンドを中心に普及してきた。このため、仮に株式マーケットが調整局面を迎えた場合、個人投資家のESG投資への意識がトーンダウンすることが懸念される。
マルチアセット戦略のファンドは、こうした局面でも市場環境に応じた資産配分を機動的に提供することで、下落リスクを低減しつつ、中長期的に安定した運用を行うことを目指している。長期的にリターンをしっかり出していくことで、ESGへの貢献を持続させたい。
-運用のポイントは。
吉川氏 マルチアセット・ファンドなので、価格相関の異なるさまざまな資産に分散投資することで、より安定的な運用を目指していく。ESG投資は短期的にリターンへの貢献度合いを測ることが難しいが、長期的に投資していただき、振り返ったときにESGの効果がリターンにしっかり乗ってくる運用を目指している。
投資対象は、株式や債券といった伝統的なアセットクラスに加えて、不動産投信(REIT)やコモディティ、オルタナティブにも投資する。本格的な分散投資を行うため、直近のモデルポートフォリオでは、26個の戦略に投資している。
このファンドは、ミドルリターン・ミドルリスクの運用を行う。中長期的なリスク水準として年率5~8%を取りながら、同4~5%程度のリターンの獲得を目指していく。当社は独自の投資カテゴリーを設けて、投資家に情報提供しているが、このファンドは「ちょっと欲張った投資」の位置づけになる。
-マルチアセットの現状は。
吉川氏 当社は、「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド(愛称:クアトロ)」など5種類・6本のマルチアセット・ファンドを提供しており、この分野に注力してきた。クアトロの純資産総額は2500億円超に拡大し、資産複合型の公募株式投信の中で7位になっている。現在の資金流入ペースが続けば、来年にはトップ3を狙えそうだ。