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GPIF、ESG指数で10.6兆円を運用=宮園理事長が講演-東京サステナブル・ファイナンス・フォーラムで

2021年10月19日 09時00分

宮園雅敬理事長

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の宮園雅敬理事長は、東京都が主催する東京・サステナブル・ファイナンス・フォーラム2021で講演し、GPIFが取り組むESG(環境・社会・ガバナンス)投資について説明した。

 GPIFは、2017年からESG投資に取り組んでおり、ESGを重視して投資対象を選定する七つの指数を使って、国内株式と海外株式で合わせて10.6兆円(2021年3月末)を運用している。

 講演の中で宮園理事長は「ESGに関する社会的課題が、企業価値の毀損(きそん)や資本市場の成長の阻害を通じて、GPIFのポートフォリオに負の影響を及ぼす可能性がある」と指摘。GPIFがESG投資に取り組む理由について「こうしたネガティブな要素をできるだけ減らすことで、投資先企業の価値が高まり、資本市場全体が持続的に成長していくことになれば、GPIFの長期にわたる安定的な収益確保につながり、被保険者の利益に貢献していく上で大変重要なことになるためだ」と話した。

採用ESG指数一覧(出所、2020年度業務概況書、GPIF)(クリックで表示)


 ESG指数を使った運用の効果については「ポートフォリオの長期的なリスク・リターンの改善に加えて、指数への採用を目指す企業のESG情報の開示を促進したり、それらの企業のESG評価の改善を通じて株式市場の底上げが図られたりといった、好循環が期待できる」と述べた。
 さらに、委託先の運用会社を通じて、投資先企業との対話(エンゲージメント)や、株主総会での議決権行使を実行することで、企業が抱えるESG課題の解決に取り組んでいることを紹介した。

 

 

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