サンプル(過去記事より)
車輪ごとにモーター
ゴールドマン・サックスは11日、ローズタウン・モーター<RIDE>とフィスカー<FSR>のカバーを開始し、小型トラックを製造するローズタウンの投資判断を「買い」、スポーツ用多目的車(SUV)のフィスカーを「ホールド」とした。
アナリストのマーク・デラニー氏はローズタウンの目標株価を31ドルとした。同社株の10日の終値は約18ドル。一方、フィスカーの目標株価は15ドルに設定。現在の株価とほぼ同じ水準。
ローズタウンは消費者・商用市場向けの小型トラックを製造。デラニー氏は「ピックアップトラックをフリート販売する初の会社になる見込みで、革新的なデザインも特徴だ」と書いた。同社のピックアップトラック「エンデュアランス」は2021年から納車が始まる。同氏が技術革新と呼ぶのは他社の車とは異なり、それぞれの車輪ごとにモーターがあることだ。大半の電気自動車(EV)は電気モーターを車軸に取り付けている。
一方フィスカーはSUV「オーシャン」を製造する。同氏はあと2年間は売り出されないとみている。他のEVメーカーや従来の自動車メーカーとの競争が激化することを考えると、懸念だという。
いずれも投資判断割れる
デラニー氏は最近、テスラの投資判断を「ホールド」から「買い」に上げ、目標株価をウォール街では最高の780ドルに設定した。自動車市場におけるEVの普及が当初の見込み以上に速く進むとの見方が理由の一つだ。2025年の新車販売の15%をEVが占めると予想する。従来は10%とみていた。米国内で多くのEVが売れれば、国内EVメーカーすべての成長も速くなる。
テスラは時価総額6000億ドルの巨大企業だが、フィスカーとローズタウンは新興メーカーで、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じ、10月に新しい株価シンボルで取引が始まったばかり。
フィスカー株の投資判断を示したアナリストはこれで3人目。「買い」「ホールド」「売り」それぞれ1人ずつだ。またローズタウンの投資判断はこれで4人目だ。判断はやはり割れており、「買い」、「売り」いずれも2人ずつ。
ローズタウンの目標株価の平均は27.50ドルだが、レンジは14~50ドルと広い。フィスカーの目標株価の平均は約20ドルで、レンジは15~22ドル。
フィスカー株は過去3カ月、変わらず。ローズタウンは26%下げた。S&P500指数とダウ工業株30種平均はそれぞれ9%、8%上げた。
ローズタウンはデラニー氏の強気な見方を好感して11日午前に一時約8%高を付けた。フィスカーは1.3%安。