サンプル(過去記事より)
S&P500種指数上回るパフォーマンス
筆者はニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場が1 オンス=1295ドルの水準にあった昨年8月以降、金塊相場に対し、強気姿勢をとってきた。昨年12月4日、2020年にはさらに上昇すると予想するレポートを書いた。
金塊相場は現在、約1734ドルで、年初来では11%の上昇となった。今年2月には大幅上昇を記録した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の時期に増加する数少ない資産の一つである。
しかし、現在、さらなる強気相場は、金塊ではなく金鉱株である。筆者の分析予想によれば、金鉱株のパフォーマンスは現時点から年末までにS&P500種株価指数をかなり大幅な比率で上回るとみられる。
トレンドラインの突破
その理由としてまず、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の金鉱株指数である「Arca Gold Miners index」を検討してみる。同指数は先月、965を超えた時点で明確にアウトブレークした。この先月のブレークアウトまでの間、トレンドラインは2009年以降、強固な節目だった。この抵抗線を簡単に突破したことで、筆者の予測モデルは1300~1400を目指している。
二つめの注目点は一層興味深いものだ。金鉱株指数のパフォーマンスは年末までにS&P500種株価指数のパフォーマンスを25~40%上回る可能性がある。金鉱株指数は3年間のラウンディング・ベースから抜け出している。さまざまな移動平均データのサポートを得ることで、基調ベースは上昇に向けた支援材料を提供している。
金鉱株指数はなぜこれほど大幅な比率でアウトパフォームする可能性があるのか。そこには、米連邦準備制度理事会(FRB)が急速なペースで流動性を拡大していることがある。昨年8月以降、FRBのバランスシートはほぼ80%増加している。そしてテクニカル分析からみた株式市場の状態は弱まりつつあり、下落の方向を示している。
-筆者のアンドリュー・アディソン氏は、テクニカル分析に重点を置いた調査サービス、「Institutional View」の発行人。