サンプル(過去記事より)
エクソン、来年反発の可能性も
19年は苦戦続き
投資家は配当重視の傾向
エクソンモービル<XOM>は2019年、原油相場が上げたにもかかわらず、他の石油・ガス会社と同様、苦戦が続いた。株価は約3%高と、上昇率はS&P500指数の28%を大きく下回っている。
投資家は今年、石油・ガスセクター、特に拡大プロジェクトに巨額の資金をつぎ込み続ける企業を回避した。エクソンは、増産に向けた投資を行い、将来利益が出る可能性のあるガイアナやその他の国でのプロジェクトを追加した。
以前、このようなプロジェクトは株主を興奮させたものの、エネルギー部門の投資家は、投資を抑制し、高水準の配当を行う企業に報いる傾向が強くなってきている。経済的リターンが低いにもかかわらず、プロジェクト拡大を続けた石油会社が、数年にわたり低調なリターンしかもたらさなかったことに対する反応だ。
パーミアン、ガイアナで生産増
エクソンの配当利回りは5 %と高水準。ただ、フリーキャッシュフローで配当はカバーされていない。ムーディーズは11月にエクソンの信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。「Aaa」の格付けは維持したものの、フリーキャッシュフローが大幅なマイナスであり、巨額投資案件の資金を借り入れに依存する見込みだと指摘した。ムーディーズから見ると、エクソンは同業他社に比べ信用できるということだが、将来格下げする可能性もある。
エクソンは気候変動に関連した情報開示をめぐる裁判で勝訴したが、化石燃料の排出物に関し、投資家から圧力を受け続ける可能性が示された。
それでも一部のアナリストはパーミアン盆地やガイアナでの生産増を考慮すると、2020年がエクソン反転の年になるとみている。バンクオブアメリカ・メリルリンチは、エクソンを石油メジャーのうちでトップの推奨銘柄としている。