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パフォーマンス最低のハイテク7銘柄

This Is the Worst Tech Stock of 2019

何が悪かったのか

S&P500IT指数は48%上昇

AFP時事

2019年はハイテク株の騰勢が続いた。S&P500指数は年初来、約31%上げているが、S&P500インフォメーションテクノロジー指数の上昇率は約48%と、これを上回る。しかし、構成70銘柄のうち、7銘柄の株価は19年をマイナスで終える軌道上にある。7社の何が悪かったのか?

コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ<CTSH>2%安。ITサービスを提供する同社は5月に通年のガイダンスを下方修正し、株価は急落した。ヘルスケアや金融サービス顧客向けビジネスが鈍化。4月1日に最高経営責任者(CEO)に就任した元ボーダフォン幹部のブライアン・ハンフリーズ氏は急成長、高マージン事業へのシフトを重視し、増収を狙う。


アリスタ・ネットワークス<ANET>3%安。ネットワーク機器を扱う同社の株価は、過去3回の業績発表後にいずれも下げた。直近の下げは11月の第3四半期決算後で、同社は「クラウドの巨大企業」からの需要が大幅に減ったと警告した。巨大企業はフェイスブック<FB>と目されている。アリスタの顧客ベースはかなり絞られたもので、かつ、クラウドに注力していることが、依然リスクだ。

コーニング<GLW>4%安。ハイテク特殊ガラスの同社は、スマートフォンの販売鈍化やテレビ用ディスプレー向けガラスの売り上げ低調、通信事業者による光学インフラへの投資鈍化で、打撃を受けた。

ジュピター・ネットワークス<JNPR>9%安。ネットワーク機器の市場シェアをシスコシステムズ<CSCO>やアリスタに奪われたことや、通信事業者やパブリッククラウドの需要低調が響いた。7~9月期の収入は前年同期比4 %減。通信事業者と企業の支出低調が影響した。

F5ネットワークス<FFIV>14%安。アプリケーションサービスの同社は最近、ビジネスの焦点をハードウエアからソフトウエアにシフトしつつある。こうした動きで業績が悪化することが多い。F5は12月、シェイプ・セキュリティーを10億ドルで買収すると発表した。サブスクリプションソフトウエア型へのシフトが加速すると見込む。しかし、買収のため債務が膨らみつつあり、株価はこのニュースを嫌気して下落した。

アライアンス・データ・システムズ<ADS>26%安。クレジットカード事業などを手掛ける同社は高レバレッジで、厳しい1年だった。最近通期のガイダンスを下方修正。CEOも交代した。

DXCテクノロジー<DXC>29%安。ヒューレット・パッカード・エンタープライズ<HPE>のサービス部門とコンピューター・サイエンシズの合併で2017年に誕生したが、19年はS&P500のうち「パフォーマンス最悪のハイテク銘柄」と、不名誉な地位に転落した。アクセンチュア出身のマイク・サルビノ新CEOは最近、契約の遅れやその他の問題を理由に、収入・利益見通しを下方修正した。DXCは、合計で収入の25%を占める3部門の売却・もしくはスピンオフ計画を発表している。得られた資金で自社株を購入し、株主に還元するという。

 

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