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ファイザー株、20年に復活も

Pfizer Stock’s Dismal 2019 Could Be a Prelude to a Comeback

今年は10%安

ジェネリック部門分離で暴落

EPA時事

ファイザー<PFE>株にとって厳しい1年だった。2018年から19年6月までの18カ月、ファイザー株は16.8%上昇し、ヘルスケアセクター、市場全体をも上回ったにもかかわらず、7月から9月までに17.3%下落。年間では約10%安で、ダウ工業株30種平均構成銘柄のうち、最悪のパフォーマンスの部類に入っている。

しかし、20年に希望はある。

本誌は11月のカバーストーリーで、特に、2、3の薬の試験結果がファイザーの思うようになれば、同社の新たな成長戦略に期待できると主張。また、12月のカバーでは、2020年の推奨10銘柄の一つに加えた。

ファイザーでは1月、巨大合併の時代にトップを務めたイアン・リード氏の後任として、アルバート・ブーラ氏が最高経営責任者(CEO)に就いた。

7月終盤のファイザー株の暴落は、ジェネリック医薬品(後発医薬品)事業「アップジョン」のスピンオフ計画を発表したことがきっかけ。アップジョンは、バイアグラなど特許切れのヒット商品を主に新興国市場で販売しているが、マイラン<MYL>と合併する。

ファイザーはこれより数カ月前に、大衆薬事業をグラクソ・スミスクライン<GSK>の同事業と統合し、合弁会社を設立すると発表した。統合は19年8月に完了。2、3年中に新会社の株式を上場する見込みだ。

今後5年、年6%の増収見込む

投資家からアップジョンのスピンオフが嫌気され、ファイザーの株は下げた。アップジョン分離後のファイザーの想定バリュエーションが株価を維持するには高過ぎるとの懸念で売り込まれた。株価はまだ完全には回復していない。

このほか、投資家心理を圧迫しているのは2026年から3年の間に五つの医薬品の特許が切れることだ。これにより売り上げが数十億ドル目減りする。

ファイザーは、今後5年間、売り上げを年6%伸ばせるとしている。20年は、期待の高い、乳がん治療薬イブランスの新データなど、試金石となるものが出てくる。

2020年はファイザーの回復の年になるかもしれない。

 

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