サンプル(過去記事より)
ロイヤル・カリビアン、新型ウイルスの影響は?
2019年は好調だったが
中国クルーズ、8件キャンセル
ロイヤル・カリビアン・クルーズ<RCL>の2019年の業績は好調だったものの、2020年は新型コロナウイルスによる影響が不確定要因だ。中国は同社のキャパシティーの6%を占めるが、リチャード・フェイン最高経営責任者(CEO)は4日朝、アナリストとの電話会談で、年初来、中国のクルーズ8件がキャンセルされ、その他3月4日までの数件は旅程が変更されたと明らかにした。1株当たり利益が25セント押し下げられるという。
ロイヤル・カリビアンの2019年の業績は米会計基準(GAAP)ベースで、希薄後1株当たり利益が8.95ドルと、前年比5%増。売上高は約110億ドル。
株価は4日朝に一時3%超高の119.50ドルを付けた。
フェイン氏は、今後も中国関連のキャンセルが見込まれるとしながらも、「数はまだわからない」と述べた。コロナウイルスによる影響のすべてを特定するのは極めて難しいと繰り返した。同社は、過去15日間に中国もしくは香港にいた者のクルーズ参加を禁止している。
フェイン氏は本誌とのインタビューで「中国以外では予約は引き続きしっかりしており、2020年について良い感触がある」と語った。
4隻追加投入へ
2019年は逆風もいくつかあった。キューバへのクルーズ禁止やバハマを9月に襲ったハリケーン「ドリアン」。これにより、キャンセルが数件発生した。
それでも2019年は、ホテル業界における1室当たりの収入にほぼ相当するグロスイールドが為替相場調整後で7%増加した。ただ、第4四半期は希薄後の1株当たり利益は1.30ドルと、前年同期の1.50ドルから減少した。
同社は「中核商品への需要は全四半期を通じて極めて強かった」と指摘。2019年には新たに3隻が加わり、2020年にはさらに4隻を追加する計画だとしている。
一方、2025年に調整後1株当たり利益を20.00ドルに上げることを目標にしていると表明した。同年までの二酸化炭素排出量25%削減も目指す。フェイン氏は「これら目標に関し、人々の反応は良い」と語った。