サンプル(過去記事より)
高値更新のテスラ、株価2倍も
バッテリーが要
時価総額、業界3位に
テスラ<TSLA>株が19日、2.8%高の404.04ドルと、最高値を更新した。時価総額は730億ドルに上り、自動車業界ではフォルクスワーゲン<VOW>、トヨタ自動車<TM>に次ぐ第3位だ。1990年代にバーンスタインでたばこ業界のアナリストだったゲイリー・ブラック氏は、テスラの2024年の利益見通しをベースに、株価が2倍になる可能性があると分析する。
今年までイーゴン・アセット・マネジメントの最高経営責任者(CEO)を務めたブラック氏は、テスラはバッテリーの駆動距離で最先端を行っており、メルセデスやアウディからの競争をはねのけていると指摘。ブランドやディーラー網を後ろ盾に大手高級車メーカーが独自の電気自動車(EV)を発売したら負けてしまうという弱気シナリオも一つだとするが、メルセデスのEVの米国市場投入は2021年に遅れ、ジャガーやアウディの新型EVの売れ行きは低調だ。
「ディーラーやEV以外の車のユーザーと話すと、EV購入の上で最大の障害は、バッテリーの充電だ。より長い航続距離が求められている」と語った。テスラの「モデル3」の航続距離は300マイル超。これに対し、ポルシェのEV「タイカン」は200マイル。価格は10万ドルとモデル3の約2倍だ。
24年に180万台、1株800ドル
ブラック氏は、現在テスラの販売台数は年換算で約40万台のペースだが、2024年には180万台、米自動車市場の10%に到達する可能性があると分析。この結果、利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)は80億ドル、1株当たり27ドルになると試算した。その上で、株価を利益の30倍とすると、現在の2倍の800ドルになると述べた。
また、環境や社会、企業のガバナンスを重視するESGの動きについて「ESG投資家は、たばこなどの分野を回避するだけでなく、世界にポジティブな影響をもたらす企業の株式を買おうとする」と述べ、テスラも恩恵を受けるとの見方を示した。
一方、テスラ株を空売りする投資家には圧力が高まっていると述べた。空売りは直近で全体の20%の2800万株に上る。弱気派が着目するテスラのバランスシートについて、継続的に利益を計上するようになったら、問題ではなくなると予想した。同社は第3四半期末に約110億ドルの長期債務を抱え、年間の金利コストは7億ドルだが、ブラック氏は2020年にEBITDA 30億ドルを達成できたら、簡単に金利コストをカバーし、バランスシートをめぐる懸念を払しょくすることができると語った。
同氏は、米自動車市場におけるEVのシェアは現在の3%から、2024年までには25%に上昇すると予想。テスラのEVのシェアは現在の78%から40%に低下する見込み。