投資は豊かな未来に不可欠=法政大で講義-ウェルスナビの柴山CEO
2022年06月29日 11時00分
ロボットアドバイザー最大手・ウェルスナビの柴山和久CEO(最高経営責任者)は、イオンフィナンシャルサービスが法政大学で実施している金融リテラシーに関する寄付講座にゲスト登壇し「これからの人生と投資の思考法」をテーマに講演した。
この中で柴山氏は、投資について「将来の大きな成果のために、不確実性(リスク)を理解した上で、お金を使うこと」と定義。「社会、企業、個人のいずれにおいても、豊かな未来を創り出していくために投資は不可欠だ」と指摘し、日本の高度成長を支えた新幹線プロジェクトの例などを挙げた。
具体的な投資手法については、約160兆円の巨額の資産を運用するノルウェーの政府年金基金が世界70カ国の株式や債券、不動産などに分散投資していることを紹介。世界経済に幅広く投資することで、短期で見ると運用損益がマイナスになることがあっても、中長期的に資産を増やす運用を実行していることを説明した。
過去にはリーマン・ショックのようにマーケットが急落する局面があった。柴山氏は「これからも同じように危機が起こると考えることは合理的だ」と分析した上で、「10年以上の長期投資と世界のさまざまな資産への分散投資によって、世界経済の成長を上回るリターンを目指すことができる」と話した。
最後に「若いうちは、自己投資することも重要だ」とアドバイス。柴山氏自身も英会話教室に通い、大きな成果を得たという。
講義を聞いた経営学部1年の学生は「投資といえばお金というイメージだったが、大学で学ぶことも自分への投資と聞いて視野が広がった」と話していた。法政大学では、金融リテラシーを学ぶことで生活や人生について考える力・能力(リテラシー)を身に付けることを目的に、市ヶ谷キャンパスの教養教育の一環として、リベラルアーツ特別講座(金融リテラシー)を開講している。