日本株に割高感・過熱感なし=ファンダメンタルズに沿った動き-フィデリティ投信ディレクター・オブ・リサーチの王子田氏
2026年08月10日 07時29分

フィデリティ投信は7日、日本株に関するメディアセミナーを開催した。ディレクター・オブ・リサーチの王子田賢史氏は、日本株市場の見通しについて、「6月に日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)はともに高値更新したが、基本的には経済のファンダメンタルズに沿った動きだ。特段の割高感・過熱感もなく、見通しも良好なので、中期的には楽観的なスタンスを維持している」と述べ、その背景を説明した。主なポイントは以下の通り。
◆物価上昇が業績拡大に結び付く「好循環」へ
-見通しが良好な理由は
王子田氏 理由は二つある。一つ目は「マクロ経済環境の変化」だ。日本経済は、コロナ禍が終息した2021年以降、ゆるやかなインフレ環境に移行した。概ね前年同月比2%程度の物価上昇が観測されている。また、企業収益は、名目GDPの成長に歩調を合わせるかたちで、右肩上がりに拡大している。
企業と家計のマインドセットが変化し、物価は上昇するものという意識が根付いてきた。企業は、コストも上昇するが、それを価格転嫁することで売上げが拡大し、利益率が上昇しやすくなり、キャッシュフローが生まれやすい環境になっている。企業はそれを事業投資に振り向けたり、企業買収に使ったり、株主還元に回している。こうした好循環が生まれている。
◆資本効率を意識した経営が浸透
王子田氏 二つ目は「ミクロ経済から見た企業行動の変化」だ。上場企業の配当や自社株買いは、今年度も過去最高を更新する見通しだ。
2023年に東証が資本コストや株価を意識した経営を上場企業に要請したことを受けて、24年から自社株買いの規模がジャンプアップしている。経営者が資本効率を意識した経営を実現するには、売上げや利益を拡大するだけではなく、バランスシートを考慮することが必要になる。
バランスシートに無駄な資産を抱えていると、業績が拡大しても、資本効率は高まらない。また、事業活動から生まれるキャッシュフローは、高いリターンが見込まれる事業に再投資するか、株主に還元することが求められる。こうしたことを行う企業が、顕著に増加している。
企業サイドでは、景気が良いという認識が広がっており、多くの企業で業績は最高益を続けている。日銀短観や4-6月期の決算発表を見ると、設備投資の意欲がおう盛だ。私が企業経営者と対話する中でも、経営者の意識の変化が確実に伝わってきている。
利益が伸びて、資本が適切にコントロールされると、投資家が重視するROE(自己資本利益率)が上昇しやすくなり、PBR(株価純資産倍率)が上昇するという経路を通じて、株価はこれからも上昇していくだろう。
◆「フィデリティ・日本配当成長株・ファンド」
-注目の日本株投信は
王子田氏 例えば、2005年9月設定の「フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型)」は、パフォーマンスが年初来リターンで+21.19%(日本株アクティブファンド中10位)、資金流入が年初来で480億円の流入超(同8位)と好調だ。7月10日には「同(成長重視型)」を設定した。
このファンドのコンセプトは、「マーケット平均より高いインカム収入の獲得すること」と「株式市場が下落する局面でファンドの値下がりを抑制すること」を目指している。
投資対象は、「高利回り・高成長企業」をコア(中核)としている。ただ、成長株が主導するマーケットにも対応できるように、一定割合を「低利回り・高成長企業」に配分している。また、弱気相場で抵抗力を発揮することが期待される「高利回り・低成長企業」にも一定割合を投資している。



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