「成長戦略フォーカス・ジャパン」を設定=「政策」を追い風に、持続的成長が期待される企業に投資-三井住友DSアセットマネジメント
2026年07月02日 06時30分
(尾形氏) 三井住友DSアセットマネジメントは、成長戦略等の「政策」に着目し、持続的な成長が期待される企業の株式に投資する「成長戦略フォーカス・ジャパン」を5月29日に設定した。運用部リサーチアクティブグループ グロースプロダクト シニアファンドマネージャーの尾形優介氏に設定の狙いやファンドの特徴を聞いた。
◆「政策支援による価値向上のドライバー」を捉える
-設定の狙いは
尾形氏 日本経済がデフレから脱却しインフレが定着する中で、株式市場では企業の成長に対する関心が高まるだろう。このファンドは、17の成長分野を掲げる高市政権の「日本成長戦略」などの政策にフォーカスすることで、「企業の潜在的成長力」に加えて、「政策支援による価値向上のドライバー」を捉えて、より良いパフォーマンスを目指す。
日本企業の設備投資は、これまで欧米に比べて低水準だったが、今後は、政府の政策に支えられて伸びていくことが期待される。また、社会全体が値上げを許容する環境になる中で、株価はインフレに応じた名目的な値上がりに加えて、企業の利益成長によって一段と上昇するだろう。
◆時流を捉え、競争力・市場創出力を有する企業
-ファンドの概要は
尾形氏 このファンドは、成長戦略等の政策が企業価値向上の追い風となる分野において、持続的な成長が期待される企業の株式に投資する。ポイントは三つある。
1点目は、優れた実績を持つ、グロース株式の運用チームの6人が担当することだ。このチームは、別の戦略の旗艦ファンドで10年以上の運用実績を持ち、相対的に優れたパフォーマンスを獲得してきた。
2点目は「時流を捉え、競争力・市場創出力を有する企業」を厳選することだ。具体的には、三つのプロセスがある。まず「中長期成長テーマ分析」により今後3~5年程度先までに起こりうる事象を整理して市場拡大が見込まれる成長分野を抽出する。
次に「企業ポジショニング分析」により、技術力・生産力・価格力などから、競争力の高い企業をマッピングして、投資候補銘柄を選定する。
最後に「個別銘柄リサーチ」により、定量・定性分析を行って投資銘柄を決定する。定量分析では「2期増益率」と「3期増収率」を重要視している。また、「経営者の質」や「事業ポートフォリオの中身」などの定性分析で確信度を強化している。
◆政策を追い風に、成長加速が期待される企業
尾形氏 3点目は「政策を追い風に、成長の加速が期待される企業」に投資することだ。このファンドでは、高市政権の「日本成長戦略」に限ることなく、その時々の政府の経済政策にフォーカスを当てていく。
高市政権の戦略17分野では、特に「AI・半導体」「造船」「防衛産業」「航空・宇宙」の4分野に着目している。この4分野の企業は、既に業績の改善トレンドが見られ、政策の追い風が加わり、成長が加速することが期待されるためだ。ただ、投資分野をこの4分野に絞るとか、17分野を全部入れるといった縛りは設けていない。ボトムアップの調査に基づいて銘柄を選定している。
◆フィジカルAI、サイバーセキュリティー
-4分野の注目点は
尾形氏 AI・半導体分野は、生成AIを中心に急成長してきた。そうした中で、われわれが注目するのは「フィジカルAI」だ。既存のAI技術と、日本企業が強みを持つロボット技術の優位性を生かすことで、日本企業の復権が期待される。
「日本成長戦略」の特徴は、複数年度にまたがる予算を計画していることだ。政府は、AI・半導体分野に、7年間で10兆円の投資を行う。これにより、企業はより中長期の目線で投資や研究開発を行うことができる。
防衛産業は、世界的に地政学リスクが高まる中、防衛予算が増額されており、さらなる成長が見込まれる。インターネット上のサイバー攻撃関連の通信数も増加しており、サイバーセキュリティーは日本においても重要なテーマの一つだと考えている。
造船産業では、地政学的リスクを背景に航路が長距離化しており、輸送用船舶の需要が拡大している。さらに、温室効果ガスを排出しない代替燃料を用いたゼロエミッション船の開発も急務になっている。
航空・宇宙の分野では、人工衛星の打ち上げ件数が増加している。衛星同士が連携する衛星コンステレーション技術の重要性が高まっているためだ。人工衛星は、通信や測位、災害対応、安全保障などで重要なインフラになっている。
企業の中には、例えば、防衛とエネルギー、造船と港湾ロジスティクスというように、複数の分野で強みを発揮するものが、多数ある。7月には政府が「骨太の方針」を公表する見通しで、成長戦略についても言及されると見られている。年末に向けて、具体的な予算規模や方向性が明らかになり、注目が集まるだろう。
◆長期分散投資のツールに
-アクティブ運用の魅力は
尾形氏 投資家の目線が、インデックスから個別銘柄に移っているように感じている。こうした中で、個別銘柄に着目したアクティブファンドへの注目度も高まっているように思う。アクティブファンドは、インデックスを上回るパフォーマンスを目指しており、中長期の資産形成の選択肢の一つとして考えていただければと思う。
このファンドは、中長期にわたって政府による日本の成長戦略にフォーカスを当て、長い目線で成長の果実を享受していくファンドだ。少額投資非課税制度(NISA)の成長投資枠にも対応しており、長期に保有していただきたい。
投資信託は、運用チームが個別銘柄をボトムアップで分析し、良い銘柄を選んで組み入れている。個人で株式に投資している投資家の方にも、ポートフォリオの一部に日本株のアクティブファンドを組み入れていただければと思う。
日経平均株価は7万円台に上伸し、変動が大きくなっている。こうしたときは、分散投資が重要であり、投資信託を活用することも有効だと思う。



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