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「意識の壁」「知識の壁」の解消がカギ=投資家の裾野拡大で-野村アセットマネジメント資産運用研究所の今村主席研究員

2026年07月01日 07時00分

今村宗嗣主席研究員

 野村アセットマネジメント資産運用研究所がまとめた「Investors Insights 2025(投資信託に関する意識調査)」によると、少額投資非課税制度(NISA)を開設しない理由のトップ3は、「投資に回せるほどのお金がない」「制度の内容をよくわからない」「損をしたくない」だった。

 今村宗嗣主席研究員は、投資家の裾野拡大に向けて「『意識の壁』『知識の壁』を解消することが重要だ」と話している。調査は昨年4月に全国の男女約2万8000人に実施した。

◆意識の壁①=「投資はギャンブル」という誤解

NISAの非利用理由(クリックで表示)
投資に対するイメージ(クリックで表示)

 調査の中で、投資に対するイメージを尋ねたところ、「投資は怖いものだと思う」と回答した人が、投資家で50%、非投資家で61%を占めた。また、「投資はギャンブルのようなものだと思う」とする人は、投資家で42%、非投資家で58%だった。

 今村主席研究員は「投資について、投信等を使って『長期・積立・分散』で継続的に資産形成するのではなく、短期的な利潤を求めて株式等をスポットで売買するイメージを持っている人が多いことが分かった」と分析。「教育と理解の深化により、行動変容を促していくことが重要だ」と指摘した。

◆意識の壁②=「まとまったお金が必要」という誤解

 調査の中で、投信保有者を貯蓄額別に分類すると、投信保有者の割合は「2000万~5000万円未満」の17%に次いで、「100万~300万円未満」が16%と多かった。また、少額投資非課税制度(NISA)の「つみたて投資枠」の利用者を貯蓄額別に分類すると「100万~300万円未満」の層が最も多かった。

 今村主席研究員は、「『お金がないから投資ができない』と考える人は、投資についてスポットで株式等を売買するイメージを持っていると思われる。ただ『長期・積立・分散』で投信を使って資産形成するのであれば、少額から投資を始めることができる」と指摘。「貯蓄額が『100万~300万円未満』の層でも、少額から投資を行っている事例を示すことで、誰でも投資できることを伝えていきたい」と話した。

◆知識の壁=どれに該当するか分からない

 調査の中で、「現在保有している投信」や「今後保有したい投信」を、商品タイプ別に選んでもらったところ、トップは「どれに該当するか分からない」で、約4割を占めた。次いで「ノーロード」「毎月分配型」を選択した人が多かった。

 今村主席研究員は「『どれに該当するか分からない』と回答した投資家の中には、それぞれの知識や経験、保有目的に合った商品を提供するという『適合性の原則』に反した商品を選択している人がいないか懸念される」と分析。

 「若い人でも、長期の資産形成には適していないとされる『毎月分配型の投信を保有している』と回答した人が多かったが、『分配金に関する知識』に関する知識の正答率は全体でも4割以下で、若年層ではさらに低かった」と指摘した。

投資と貯蓄額(クリックで表示)
保有している・今後購入したい投資信託(商品タイプ別)(クリックで表示)


◆NISAには、まだまだ伸びしろ

 調査の中で、「NISA口座の有無」と「投資家・非投資家」で回答者をクロス分析したところ、「『NISA口座なし』で『非投資家』」という人は全体の約6割を占めた。このうち、「NISAを知らない」と回答した人は約9割だった。

 今村主席研究員は「NISAは多くの国民に浸透してきたが、口座数の拡大に向けて、まだまだ伸びしろがある」と指摘した。

 その上で「投資が拡大しない背景には、『投資が怖い』『まとまったお金がないとできない』と思う『意識の壁』や、『商品や制度の内容をよく知らないから投資に踏み切れない』という『知識の壁』がある。適切な情報発信により、これらの壁を解消していきたい」と話した。

 

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