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「モーニングスター・アワード2026」を発表=日本株式など5分野で「個人投資家が資産配分のコアにできるファンド」を選定

2026年03月24日 07時30分

「モーニングスター・アワード2026」の授賞式

 モーニングスター・ジャパンは「モーニングスター・アワード2026」の授賞式を開催した。

 部門別ファンドアワードでは、日本株式、世界株式、債券、REIT、アロケーションの5部門で、「個人投資家が資産配分を行う際に、コアとして用いることができる優れたファンド」を15本、選定した。

 また、運用会社アワードでは、「相対的なリスク調整後リターンが優れたファンドを取りそろえる運用会社」として、フィデリティ投信を表彰した。

(チャン・ユーツン氏)(チャン・ユーツン氏)
運用会社アワード(出所)モーニングスター・ジャパン(クリックで表示)
運用会社アワード(出所)モーニングスター・ジャパン(クリックで表示)
運用会社アワード(出所)モーニングスター・ジャパン(クリックで表示)


◆情報ポータルを開設、グローバルな知見を日本語で提供

 授賞式で、モーニングスター・ジャパン社長のチャン・ユーツン氏があいさつし、これまでの歩みを振り返った。

 同社は、2023年に日本でのブランドの返還を受け、「モーニングスター・ジャパン」として新たな法人を発足させた。24年は、ファンド・リサーチとマネジャー・リサーチを本格的に展開し、日本籍のファンドをカバーした。25年は、個人投資家を含めた情報ポータルをスタートした。

 情報ポータルについては、チャン・ユーツン社長は「日本の投信や株式に関する記事はもちろんだが、グローバルのコンテンツを翻訳して提供していきたい。投資の世界は、日本だけでなく世界を含めて、ボーダーレスになっている。モーニングスターがグローバルに展開するアナリストの知見やインサイト(洞察)を、日本の皆さんにお届けしていく」と述べた。

◆パッシブ運用、アクティブETF、プライベート資産が拡大

 モーニンスター・マネジャー・リサーチ グローバル責任者のローラ・ラットン氏は「米国ファンド市場のトレンド」をテーマに講演し、三つの流れを紹介した。

 一つ目は「パッシブ運用の優位性」だ。2008年の金融危機以降、投資家のパッシブ運用への関心が高まり、2023年には米国で初めて、パッシブ運用の資産残高がアクティブ運用を上回った。パフォーマンスで、パッシブ運用に優位性が見られることがその要因だ。

 二つ目は「アクティブETFの台頭」だ。2023年以降、特定の指数に連動しないアクティブETFの残高が急拡大している。「株式型が人気で、既存の投資信託をETFに転換したものや、既存の運用戦略をベースに新規設定されたETFが多く見られる。投資家にとって、一般的な投資信託と比べて、コストが低いことがメリットになっている」と話した。

 
(ローラ・ラットン氏)(ローラ・ラットン氏)


 三つ目は「パブリック市場とプライベート市場の融合」だ。「投資家の間では低コストで流動性の高い投資商品を選好する傾向が強まっているが、その一方で、コストが高く、流動性の低い『プライベート市場』に関心が高まりつつある」という。控えめな予測でも、プライベート資産は2030年に24兆ドルに拡大すると見られている。

◆複雑化する投資商品、十分な分析・評価情報が必要に

 モーニンスター・マネジャー・リサーチ アジア太平洋地域責任者のウイング・チャン氏は、「アジアで広がる投資の民主化―プライベート市場とETFが作る投資アクセス競争の最前線」をテーマに講演した。

 ウイング・チャン氏は、アジア太平洋地域の資産残高について「他の主要市場を上回るペースで増加しており、運用会社は投資家のニーズや行動特性をより的確に反映したファンドの新規設定やソリューションの提供に積極的に取り組んでいる」と紹介した。

(ウイング・チャン氏)(ウイング・チャン氏)

 ただ、商品・サービスの多様化が進む中で、課題も生じている。「投資家は選択肢の多さに圧倒されており、商品の質にバラつきが見られることから、運用商品に対する適切な分析・評価の重要性が高まっている」と指摘した。

 例えば、プライベート資産であれば、「伝統的な資産に比べて商品の構造がより複雑であることを認識し、償還条件や流動性、投資期間など多岐にわたるチェックが必要になる。また、手数料が高く、何層にも重なる複雑な仕組みになっているため、慎重な検討が求められる」という。

 「プライベート市場が民主化する中で、ファンド選定の基準はリターンだけで説明できる問題ではなく、投資家は自分自身のリスク許容度、ニーズ、商品の流動性、投資期間に適した商品を選ぶ必要がある」と話した。

 その上で「モーニングスターは、さまざまな情報発信を通じて、投資家やアドバイザーが必要な知識を備え、十分な情報に基づいて確信度の高い意志決定ができるように支援していく」と述べた。

◆NISAの買付額、25年は18.8兆に拡大

(元利大輔氏)(元利大輔氏)

 モーニングスター・ジャパン マネジャー・リサーチ部長の元利大輔氏は「投資信託市場の『今』とファンド評価の『これから』」をテーマに講演した。

 NISAについては「2025年の年間買付額は約18.8兆円となり、前年(17.4兆円)を上回って順調に拡大している。ただ、『つみたて投資枠』の伸び率がやや鈍化している。従来からの投資家は積立を継続しているが、新しく積立を始める人が伸び悩んでいる可能性がある」と分析した。

 その上で「NISAの裾野をこれから、どのように広げていくか、『子どもNISA』を含めて今後の注目点になるのではないか」と述べた。

◆年初一括投資は最適か?

 1月は公募株式投信(除くETF)の純資金流入額が約3兆円と過去最高になった。新年のNISA投資枠をまとめて利用する「NISAの年初一括買い」が行われたためだ。元利氏は、こうした投資スタイルが最適かどうかを確認するため、「年初一括投資」と「年4回分割投資」を比較するシミュレーションを行った。

 分析結果から「投資期間が長期になるほどリターンの差はなくなる。一方で、リスクは、分割投資の方が若干小さくなることが分かった。『期待リターンがプラスだから、まとめて早く投資した方がいい』という考え方は理論的には間違っていないが、シミュレーション結果を見ると、仮にまとまった資金があったとしても時間を分散することが合理的ではないか」と指摘した。

◆ファンドが多様化、急落にも冷静な対応

 1-2月の純資金注入額上位ファンドを見ると、引き続き、世界株や米国株に投資する低コストのインデックスファンドが上位を占めた。ただ、「昨年から『分散』が意識した動きが見られる。『金(ゴールド)に投資するファンド』や『バランスファンド』、『日本株ファンド』が、トップ10に入るようになった」と述べた。

 また、日本株が急落した「2024年8月」、「25年4月」、「26年3月」について、投資信託資金のフローを分析し、「投資信託の投資家は、相場の急落に対して冷静な対応を取っていることが見て取れる」と話した。

◆パッシブが拡大、プライベートはまだ小規模

 このほか、日本でもパッシブ運用のシエアが急拡大していることを紹介した。

 一方、プライベート資産については、リテール向けの商品が登場し始めたところで、外国籍投信を含めて15本程度にとどまっている。

 「日本のプライベート市場は、富裕層を対象とした小規模なもので、一般の投資家に広がるのはまだ先だろう。流動性の問題や、プライベート資産に特有なリスクなどをしっかり伝える投資教育や情報発信が重要になるだろう」と指摘した。

 

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